日本アドバタイザーズ協会(JAA)は22日、第50回「消費者のためになった広告コンクール」の各賞を発表した。最高賞の経済産業大臣賞には、シーメンスヒヤリングインスツルメンツ(新聞広告=写真)、サントリーホールディングス(雑誌広告)、パナソニック(テレビ広告)のがそれぞれ選ばれた。今回は50回の節目を迎え、選考方法や審査員を見直したほか、新たな賞を設けるなど刷新した。
消費者モニターや消費者団体、学識経験者などが審査するのが同賞の特徴。広告制作者が審査する他の広告賞と比べ、生活密着型の商品・サービスが選ばれる傾向にある。今回は、新聞・雑誌広告について審査作品の選定を行う消費者モニターをすべて入れ替えたほか、エリアを首都圏から全国主要都市に広げた。また経産大臣賞について、制作担当社を顕彰するベストパートナー賞を新設。これまで新聞広告部門に限られていた地域広告賞を、テレビ、ラジオの各部門にも広げた。
応募総数は前回比83点増の3510点で、他の多くの広告賞が応募を減らす中で健闘した。部門別では、新聞とテレビ、ラジオで応募数が増えたが、雑誌とWebサイトは減少した。
審査委員長の嶋村和恵早大教授は、上位作品の選考について「激しい意見交換が行われた」と紹介した。一方で、審査の方向性を合わせるための審査基準の見直しや、広告のクリエーティブ以外について、「出稿タイミングやメディアの組み合わせなども評価できないか、提案したい」と指摘した。
表彰会は11月16日、東京・六本木のザ・リッツ・カールトン東京で開かれる。