グーグル、ディスプレー広告注力を再び強調

グーグルは10月27日、ディスプレー広告事業の認知度を高めることを目的に「このスペースのこれから」キャンペーンを始めた。広告会社をはじめ、広告主やメディア企業のマーケティング担当者向けにWebサイトのほか出版媒体や屋外広告を用いる。小冊子も制作した。広告主が広告効果を把握するためのWebサービス「キャンペーンインサイト」の提供も開始した。同日、グーグル日本法人本社(東京・港)に記者らを招き、日本市場でディスプレー広告を重点的に展開するとアピールした。会見にはアジア太平洋地域メディアセールス部門ディレクターのシャイレシュ・ラオ氏が同社が考える2015年のディスプレー広告の見通しなどを紹介した。グーグルは5月末にも、ディスプレー広告の販売拡大に努めることを発表していた。

米グーグル、アジア太平洋地域メディアセールス部門ディレクターのシャイレシュ・ラオ氏

アジア太平洋地域メディアセールス部門ディレクターのシャイレシュ・ラオ氏

グーグルの売上高全体の97%は広告収入が占め、検索連動型広告「アドワーズ」とディスプレー広告が中核を担う。ラオ氏は同社の広告主1000社中99%がディスプレー広告を利用していることに触れ、「市場はさらに拡大する」と強調した。10月、ディスプレー広告の収益が全世界で25億ドル(約2050億円)超に及ぶとの予想を示した狙いは「グーグルが同市場にかけている意気込みや、技術研究・開発を含めて、どれほど貢献しているかを示したかった」と明かした。その上で、15年には「ディスプレー広告は現在の200億円規模から2.5倍の500億円規模の市場に成長する」「ディスプレー広告の表示先のトップは携帯機器になる」「掲載ページの滞在時間や出稿による検索数の増加、サイト訪問数の増加など、単なるクリック数ではない効果測定が重視される」「半分がインタラクティブ・コンテンツなど豊かな表現を持つようになる」「5割が動画を活用する」などの予測を示した。

グーグル日本法人の近藤弘忠メディアセールス統括部長

グーグル日本法人の近藤弘忠メディアセールス統括部長

グーグル日本法人の近藤弘忠メディアセールス統括部長は、インターネット動画サイト「ユーチューブ」が9月中、満稿だったことに触れ、「(日本市場では)大手広告主トップ10社中8社がユーチューブを用いたディスプレー広告を活用している」とした。

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