日本コカ・コーラは1日、自動販売機の販売額向上を目指し、新たなデザインの自販機を投入すると発表した。既存機向けに、新機種と同じ外観にするキットも展開する。全国98万台の自販機のうち2011年内に、新規設置と既存機種へのキット装着を合わせて、7万5000台を切り替える。同年内で、自動販売機での売り上げ数量が「保守的に見積もっても、数%押し上げられる」(ベンディング統括事業部の村田吉章副社長)見込み。2012年に16万台、2013年に24万5000台とし、2020年には100%の置換えを計画する。
同社は新デザインの自販機を「自社で直接運営する小売り店」と位置づけた。一貫したブランドイメージを打ち出すと共に、太陽電池パネルや非接触型ICカード決済などのオプションパーツを用意し、設置場所の商圏に適した機能を持たせる。村田副社長は「限定商品を販売したり店頭に先んじて新商品を販売したり、自販機にも特性を出していきたい」との方針も明らかにした。
新デザイン「3D VIS」は、独自動車大手BMWグループのデザインワークスUSA社と共同開発した。「コカ・コーラ」のコンツアーボトルや、会社ロゴの「ダイナミックリボン」をモチーフとした。販売チャネルや取引先顧客ごとの販売戦略を立てる部署、カスタマー&コマーシャルリーダーシップのウェス・レイノルズ副社長は「これまでの自販機は、機能性に特化しすぎた。新外観は自販機での購入者に、より良いブランド体験をもたらすだろう。競合他社のものと併設されている場合でも、優位に立てるはず」と期待を寄せた。