NTTドコモは3日、携帯Wi-Fi(ワイファイ)ルーター普及のため、タクシー無線の東京無線協同組合(東京都新宿区)の協力を得て、東京都23区内を走る約820台のタクシーに、バッファロー社製のルーター「BF-10B」を備え付けた。同社プロモーション部の狙いは「ワイファイルーターとデータ通信サービスの便利さを実感してもらうこと」。助手席の背もたれに実機と、ID・パスワードを記した小冊子がある。窓ガラスには、「このタクシーでWi-Fiが使えます!」と記したステッカーを貼った。期間は2011年3月31日までで、利用は無料。期間中には、新聞広告や交通広告の出稿もある見通し。広告キャラクターは、タレント・藤本美貴ら「ツナガール」5人が務める。スマートフォン(多機能携帯電話)の火付け役となった30歳代~40歳代の男性をターゲット層とし、「ツナガール」は秘書風のコスチュームに身を包む。広告会社は電通。
今回の施策は、「日本Wi-Fi化計画」と題したプロモーションの一環。移動中は、機能特長を最も感じやすい場面としてタクシーを活用する。また「一般的に電波障害をもたらしがちな立体交差や高層ビル群が多い環境で使ってもらうことで、電波品質を訴求できるため」(プロモーション部)。4月からの展開は未定だが、リムジンバスへの配備や、大阪、名古屋の両エリアでの展開も視野に入れる。対応機器を持たない利用客にも利便性を印象づける狙いから、タクシーのうち100台には、携帯ゲーム機「PSPgo」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)を配備した。
ルーターを利用すると、スマートフォンやタブレット型パソコン、電子書籍リーダーなど、複数の対応機器をインターネットに接続できる。こうした携帯通信端末の一般化に伴い、データ通信サービスの利用を伸ばしたい考え。NTTドコモは09年10月末から「データ通信といえばドコモ」とキャンペーンを続けており、今回も同施策のキャラクターに「鉄人28号」を引き続き起用した。