フェースブック上で獲得するファンの可能性
渡辺英輝(ネイキッド・コミュニケーションズ)
企業がフェースブック上でマーケティング活動を行っていくにあたり、最も力をいれたいのは自社ページのファン獲得である。これからの時代はメディア予算の規模よりもフェースブック上のファン数の方がマーケティング活動の成否に直結すると筆者は考えている。
では、生活者はどんな理由でフェースブック上の企業ページのファンになるのだろうか。SocialMedia Examinerによると「ディスカウントやプロモーション情報を得るため」がトップの40%、次にあがったのは「自分が支持するブランドを友達にアピールできるから」で39%と僅差の2位という結果だった。同じ理由でツイッターで企業アカウントをフォローすると答えたのが23%、さらにメルマガ購読の場合は10%という結果と比べてもわかるように、非常に高い結果と言える。
「自分が支持するブランドを友達にアピールすること」が上位の理由で現れているのは、やはり、フェースブックの「いいね!」ボタンにまつわる機能がユーザー心理に影響を与えているのではないかと筆者は考える。この機能によって、ファンによるフェースブック上での情報拡散がツイッターとは違う形でなされている点にぜひ注目したい。
ファンがファンを呼ぶ。この流れを海外では「ソーシャルCRM」と呼び、話題を集めている。新しい用語を乱用するつもりはないが、今後の潮流を語る上で鍵を握る概念になると思うので次回のテーマとして紹介したい。(「宣伝会議」12月1日号から)
※毎月1回掲載(全4回)、次回は12月28日掲載予定
海外デジタルマーケティング最新動向(第1回)「フェースブックで短期型施策を長期型へ」
(わたなべ・ひでき)
野村総合研究所、ビーコン コミュニケーションズを経て、2010年から現職。ロンドン生まれの次世代型プランニング・ブティックにて裸の付き合いの本質を研究中。