博報堂、経済状況の意識調査『経済気分2011』を発表

「世の中」と「身の回り」の経済状況についての意識調査

博報堂生活総合研究所は「世の中」と「身の回り」の経済状況についての意識調査(2010年11月末)を実施し、「経済気分2011」としてまとめましたのでご紹介いたします。

最悪期を脱するも、先行きには慎重な見方

2010年の経済状況についての評価

「今年の世の中の景気」について「良かった」と答えた人は昨年比1.4ポイント増の5.4%、「悪かった」と答えた人は7.8ポイント減の76.7%、「どちらともいえない」は7.2%増の17.6%でした。

(1)今年の「世の中の景気」はどうだったと思いますか。
良かった : 5.4% ↑ ( 4.0%)
悪かった : 76.7% ↓ (84.5%)
どちらともいえない : 17.6% ↑ (10.4%)

注. カッコ内の数値は昨年の同調査の結果です。また、矢印は昨年と比較した今年の概況を示します。
また、合計が100%になっておりませんが、これは調査データに一部「無回答」が含まれるためです。
以降、同様となります。

評価はやや好転したものの、その水準は低く「世の中の景気」実感は依然として厳しいものとなりましたが、2008年、2009年と続いた最悪期からは脱しました。

一方、「今年の自分自身の生活(月収、ボーナス、こづかいなど)」については「良かった」と答えた人は昨年比6.6ポイント増の19.7%、「悪かった」と答えた人は7.1ポイント減で46.3%、「どちらともいえない」が1.4ポイント増の33.7%で、過去最低の評価だった昨年から回復、特に「良かった」と答えた人の割合は評価が落ち込み始めた2007年以降で最も高くなりました。

(2)今年の「あなた自身の生活(月々の収入、ボーナス、こづかいなど)」はどうだったと思いますか。
良かった : 19.7% ↑ (13.1%)
悪かった : 46.3% ↓ (53.4%)
どちらともいえない : 33.7% ↑ (32.3%)

今年の前半は景気や消費動向関連の指標に改善の動きが見られましたが夏頃からその動きが鈍り、円高や世界経済の減速、エコカー補助金終了など政策効果の息切れを背景に、ここのところは足踏み状態が続いています。

しかし一方で、株価の1万円台回復、賃金・雇用環境の持ち直しや百貨店売上の回復など、まだその水準は低いものの明るい兆しも少しずつ見えてきています。

当研究所が発表している消費意欲指数も年間平均値が51.7点と昨年を上回り、2007年以降続いていた低落傾向に歯止めがかかりました。

来年への展望(2011年への展望)

「来年の世の中の景気」について「良くなる」と答えた人は昨年(2010年への展望)比5.9ポイント増の26.0%、「悪くなる」と答えた人は14.6ポイント減の27.5%、「今年と変わらない」は9.7ポイント増の46.3%でした。

(3)今年と比べて来年の「世の中の景気」はどうなると思いますか。
良くなる : 26.0% ↑ (20.1%)
悪くなる : 27.5% ↓ (42.1%)
今年と変わらない : 46.3% ↑ (36.6%)

昨年までの3年間(2007~2009年)、来年の景気は「今年より悪くなる」という人の割合が「良くなる」を大幅に上回る状況が続いていましたが、今回はその割合がほぼ並びました。
景気回復の期待が高まりつつあることが分かります。

しかし一方で全体の半分弱は「今年と変わらない」という回答をしていることからも、先行きを楽観視しているわけではないようです。

また、「来年の自分自身の生活」については「良くなる」と答えた人は昨年比5.3ポイント増の24.5%、「悪くなる」と答えた人は6.4ポイント減の29.9%、「今年と変わらない」と答えた人は1.8ポイント増の45.1%でした。

(4)今年と比べて来年の「あなた自身の生活(月々の収入、ボーナス、こづかいなど)」はどうなると思いますか。
良くなる : 24.5% ↑ (19.2%)
悪くなる : 29.9% ↓ (36.3%)
今年と変わらない : 45.1% ↑ (43.3%)

最悪期を脱して少しずつ明るい材料も見え始め、生活者には来年の「自分自身の生活」に対する期待感を持つ人も増えつつあります。

<調査概要>
■ 調査対象者: 首都圏の19才から77才までの男女335人
■ 調査方法 : 郵送法
■ 調査年月 : 2010年11月下旬

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社博報堂 生活総合研究所 TEL:03-6441-6450

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