経済産業省が14日発表した2010年11月分の特定サービス産業動態調査結果(速報値)によると、広告業の売上高合計は4283億8200万円で、前年同月比109.3%だった。特に交通広告が売上高144億100万円(同106.6%)で、08年4月以来2年6カ月ぶりに前年を上回った。ほかのメディアと同様、携帯電話や家電の出稿がけん引、「広告主が戻り始めて、復調のきざしが見えてきた」(大手広告会社)とする声もある。
マス媒体では、新聞が売上高350億7400万円(前年比105.2%)で4カ月ぶりに前年超えを果たした。携帯電話会社やメーカーのほか、製薬会社の出稿がけん引した。テレビの好調さは変わらず、売上高1305億8500万円(同106.3%)で、前月から5.16ポイント伸ばした。雑誌は113億6900万円(同97.8%)、ラジオは49億800万円(同98.3%)だった。雑誌では、年末商戦を見据えたファッションや化粧品などの高級ブランドの出稿が見られた。4媒体の売上高合計は1819億3600万円(同105.3%)。
インターネット広告は、前月より売り上げを落としたものの、09年比では30%近く伸ばした。家電製品や携帯電話のほかに、インターネットゲームサイトの広告出稿が寄与した。