左党だってスイーツ男子

コンビニスイーツ人気をけん引したローソンの「プレミアムロールケーキ」

世の中には、間違った言い伝えが、案外多い。

「左党(酒好き)の男性は、甘いものが苦手」というのもその一つ。多分、それは間違いだ。僕自身もそうだけど、人並みにお酒を飲むが、甘いものも普通に食べる。僕の周りを見渡しても、男性諸氏は大抵、両刀使いだ。じゃないと、フレンチレストランでワインを楽しみつつ、デザートなんて頼めやしない。

昨今のスイーツは、昔みたいに強烈に甘いものが少なくなったから、ハードルが下がったということもあるだろう。むしろ女性のほうに、たまに「あたし、甘いものがニガテなの」とカミングアウトする人がいたりする。元来、男子は自己主張が苦手なので、デートで「いや、僕は、デザートはちょっと……」なんて場の空気を壊す人はまずいない。

何が言いたいのかというと、男子だって、女子に劣らずスイーツが大好きだってこと。昨今、コンビニでいわゆる本格志向のスイーツがブームだが、コンビニ各社の調査によると、その購買層の7割は、実に男性客だという。まぁ、彼らは女子と違い、お土産以外では洋菓子店に立ち寄ることは少ないので、必然的にコンビニで購入する機会が増えるのだろう。

その火付け役は、一昨年9月に登場したローソンの本格派のスイーツブランド「UchiCafe SWEETS(ウチカフェスイーツ)」である。あの大ヒット商品「プレミアムロールケーキ」を輩出したシリーズだ。ちなみに、セブン-イレブンで言えば「なないろカフェ」がこれに該当し、同ブランドの一番人気が「こだわりクリームの極上シュー」。ファミリーマートだと、「Sweets+」シリーズの「Wクリームエクレア」が人気である。皆、一度や二度は、試したことがあるだろう。いずれも甘さが控えめで、一人用のサイズも手ごろ。“本格志向”という魔法がかかると、なぜか男子も買いやすい。

甘党とか左党とか言っていたのは昔の話。今や、オール与党の時代である。

草場滋「『瞬』を読む!」バックナンバー
もっと読む
草場 滋(作家・メディアプランナー)
草場 滋(作家・メディアプランナー)

エンタテインメント企画ユニット「指南役」代表。

米エミー賞にノミネートされたテレビ番組「逃走中」(フジテレビ)の企画や、映画「バブルへGO!」の原作ブレーン、日経エンタテインメント!誌「テレビ証券」の連載など、メディアを横断したプランニング活動に従事。ホイチョイ・プロダクションズのブレーンも務める。著書には「キミがこの本を買ったワケ」(扶桑社)、「『考え方』の考え方」(大和書房)、「情報は集めるな!」(マガジンハウス)などがあり、マーケティング・企画関連で幅広く執筆活動を行う。

最新刊「一流の仕事人たちが大切にしている11のスタンダード」(実務教育出版)が12月18日発売。

指南役: http://www.cynanyc.com/

草場 滋(作家・メディアプランナー)

エンタテインメント企画ユニット「指南役」代表。

米エミー賞にノミネートされたテレビ番組「逃走中」(フジテレビ)の企画や、映画「バブルへGO!」の原作ブレーン、日経エンタテインメント!誌「テレビ証券」の連載など、メディアを横断したプランニング活動に従事。ホイチョイ・プロダクションズのブレーンも務める。著書には「キミがこの本を買ったワケ」(扶桑社)、「『考え方』の考え方」(大和書房)、「情報は集めるな!」(マガジンハウス)などがあり、マーケティング・企画関連で幅広く執筆活動を行う。

最新刊「一流の仕事人たちが大切にしている11のスタンダード」(実務教育出版)が12月18日発売。

指南役: http://www.cynanyc.com/

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ