「ポスト検索」として期待集める
先週開かれた二つのソーシャルメディア系セミナー、「広報担当者の為のソーシャルメディア実践講座」(日本パブリックリレーションズ協会主催)と「ソーシャルメディアサミット2011」(アジャイルメディア・ネットワーク主催)は、両方とも早々に募集人員に達した上、会場も非常に熱気に満ちていたという。今週開かれた日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会(Web研)による「WABフォーラム」も同様に、ソーシャルメディアをテーマに行われ、こちらも満席であった。この席上、本間充代表幹事は、2011年Web広告研究会宣言として、これからのWebマーケティング戦略について、「ポスト検索~変わる生活者、Digitalコミュニケーション時代に向けて~」と発表した。
各会場での議論だけではなく、ツイッターのタイムライン上ではリアルタイムで内容の中継や参加者同士あるいは会場外の人との議論が行われていた。フェースブックがインターネットの主役に躍り出て、映画「ソーシャル・ネットワーク」が話題になっている中ではあるが、何故ここまで盛り上がっているのか背景を探ってみたい。
一つには「もっとソーシャルメディアをマーケティングや広報に活用したい」という積極的な姿勢があるだろう。「WABフォーラム」で第一部のパネルディスカッションに参加した企業4社のソーシャルメディア活用のきっかけは、担当者の興味と上司の理解によるものであった。またPR会社ニューズ・ツー・ユーの神原弥奈子社長は、「企業が直接消費者とつながれることで広報活動が『メディアリレーション』から『パブリックリレーション』へ変化した」とした上で、すべての企業にASPという形で情報発信のサービスを提供しているという。アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)はソーシャルメディア活用企業トップ50を発表し、企業のソーシャルメディア活動を評価するという取り組みを始めた。
一方で「ソーシャルメディアを活用せよとの指示があった」「(マス広告などを使う)十分な予算がない」といった消極的な理由も多いようである。会場からは「ソーシャルメディア運用指針やマニュアル」を求める声も多かったようだ。また、会社の特性を考えた上でソーシャルメディアの運用指針を社内で作成・周知徹底することの必要性も議論された。(次ページに続く)