得丸英俊の「デジタル時代に必要なスキルとは?」(第1回)

まずは、マーケの基礎

得丸英俊(電通レイザーフィッシュ代表取締役)

1995年にRazorfishの創業者は、”Everything that can be digital will be.”と語ったが、広告コミュニケーションの世界において、大半のメディアがデジタルになるのは、時間の問題だ。企業と顧客の接点となるメディアがすべてデジタルになったとしても、これはあくまで道具がデジタルになっただけ。プランニングする上で、3C分析やマーケティングミックスなどの重要性は、変わらないと考えている。

とかくデジタルというと、双方向のインタラクションがあったり、データを取得できたりと、新しい機能や特徴が付与されるので、そちらに目を奪われがちだ。その結果、些末なディテールにこだわりすぎたり、部分的な情報で判断を下してしまったりしては、良いプランニングはできない。機能や情報が豊かになるほど、それらを俯瞰して全体の枠組みから理解する必要が高まる。つまり、基本に立ち返ることが重要である。マーケティングの基礎をきちんと勉強しておくことは、決して損にはならない。

バズワードも次々出てくる。目新しさを強調した言い回しやフレームワークも次々と登場する。しかし、基礎がしっかりしていると、それらを相対的に位置づけて、何が新しくて、何が変わらないことなのかが、よく分かる。そしてまた、変わらないことの方が重要であることは、多いと思う。

収益を上げるために、顧客を創造し、維持していく。企業の経済活動の基本は、変わっていないのだから。(「宣伝会議」2011年3月1日号から)

※毎月1回掲載(全4回)、次回は2011年4月6日掲載予定

(とくまる・ひでとし)
90年代後半から、いわゆるデジタルマーケティングの領域へ。09年に電通レイザーフィッシュの社長に就任、“Experience Innovation”をスローガンに、次世代Agencyのカタチを模索中。

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