ラジオ放送をインターネット経由で同時配信するラジコは25日、中京地区7局の参加を受け、実用化に向けた試験配信を開始する。4月中にはさらに参加局が増え、関東で7局、関西で5局、北海道で4局、福岡で5局が追加される。現在、関東地区で本配信している日経ラジオ社は、関西2府4県、中京3県、北海道、福岡県でも配信を始める。
現在ラジコでは、東日本大震災への対応として聴取エリアの限定を解除しており、中京7局の放送も全国で聞けるようになる。4月1日には、従来の放送エリアに限定した配信となる予定。その他の関東7局、関西6局の配信エリアについては「どのタイミングで元に戻すかは現在協議中」(ラジコ業務推進室)という。
本配信では2系統の回線を用意して通信断絶に備えているが、試験配信は1回線のみの実施。中京7局は10月の本配信に向けて、IPサイマル放送の運用体制を整える。
現在配信している関東、関西各局はラジコへ出資しているが、今回参加する中京各社が出資するかは未定。「今後、増資する機会があれば、出資もありうる」(同)とした。
ラジコの1週間の延べ聴取回数は現在、平均300万~400万回。パソコンのほか、「iPhone」、グーグル製基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載携帯電話といったスマートフォン(高機能携帯電話)でも利用できる。「震災後3、4日間は、各端末向け聴取ソフトウエアのダウンロード数が従来の1日あたり平均ダウンロード数の約10倍に上ったという。
ラジコで配信を始める各局は以下のとおり(社名/実施エリア)。
(3月25日、実用化試験配信)
- 中部日本放送/愛知、三重、岐阜
- 東海ラジオ放送/愛知、三重、岐阜
- 岐阜放送/愛知、三重、岐阜
- ZIP-FM/愛知、三重、岐阜
- 三重エフエム放送/三重
- エフエム愛知/愛知、三重、岐阜
(4月中)
[関東]
- 茨城放送/茨城
- アール・エフ・ラジオ日本/東京、神奈川、埼玉、千葉
- エフエム栃木/栃木
- ベイエフエム/東京、神奈川、埼玉、千葉
- エフエムナックファイブ/東京、神奈川、埼玉、千葉
- 横浜エフエム放送/東京、神奈川、埼玉、千葉
- エフエム群馬/群馬
[関西]
- ラジオ関西/兵庫
- 京都放送/京都
- 和歌山放送/和歌山
- 兵庫エフエム放送/大阪、京都、奈良、兵庫、滋賀、和歌山
[北海道]
- 北海道放送/北海道
- STVラジオ/北海道
- エフエム北海道/北海道
[福岡]
- RKB毎日放送/福岡
- 九州朝日放送/福岡
- 天神エフエム/福岡
- エフエム福岡/福岡