ヤフー、災害関連情報ページをテレビCMで告知
「震災が発生した当日の夜、広告会社との緊急ミーティングでCM制作を決定。震災前からショッピングサイトなどの販促のために押さえていたスポット枠で、3月23日からテレビCMを放映した」――。ヤフー・コンシューマ事業統括本部の長谷川琢也氏(ECオペレーション本部総合販売企画部部長)は、東日本大震災直後の「即断」について振り返る。
震災後、多くの企業が広告出稿の自粛を続ける中、情報インフラ系の企業では急きょCMを制作。テレビの出稿枠を使い、災害情報や復興支援につながる情報提供を行ってきた。
前出のヤフーでは震災直後から、東名阪の全テレビ局で素材を差し替えて対応。自社のサービスの状況だけでなく、正しい判断を促すために「情報を確かめ、冷静な行動を」と呼びかけた。担当広告会社は博報堂、制作会社は葵プロモーション。クリエーティブディレクションとコピーは高橋真氏によるもの。
「電話やメール、交通網などが混乱に陥っている状況を目の当たりにし、ライフエンジンとしての役割を少しでも果たしたい。そんな思いから、マスとネットを使ったクロスメディアでの展開を即決定した」と長谷川氏。同社ではテレビだけでなく、PC、モバイル、スマートフォンの外部出稿枠も災害関連情報、復興支援情報に差し替えた。
安否確認、情報交換に「mixi」活用促す
ミクシィもあらかじめ確保していたスポット枠を使って、3月25日から「非常時のmixiご利用について」という内容でテレビCMを放映した。「ログイン状況をご確認ください」「チェックインして今いる場所をお伝えください」など、mixiの利用状況で家族や友人同士の無事を確認し合えるというサービス特性を伝えた。
「3月10日からテレビCMを展開していたため、その枠を有効に活用できた。クリエーティブは分かりやすさに徹した、シンプルなものとしている」とミクシィの西村奈津子氏(サービス本部メディア/UX統括部マーケティングコミュニケーショングループ)は説明する。
震災後、多くの企業が義援金や物資による支援に取り組んだが、有益な情報インフラを持つ企業がその利用価値を伝えていくことも「支援」のひとつのあり方だと言えるだろう。(「宣伝会議」編集部)