「とある一日。」

18:00

アワードシーズンなので、去年のニューヨークオフィスの制作物の中から何を出品するのかセレクト。せっかく作ったモノだから、チームを思うとなるべく応募させてあげたいけれど、会社から出す場合はやはり賞は無理だなと思われるものは出すわけにはいかない。エントリー費用のこともあるけれど、クリエイティブエージェンシーとしてのブランドを下げてしまうことになるからというのがもっと大きな理由。これは前回の個人ポートフォリオの考え方と同じですね。そういえばSOURの「映し鏡」もエントリーせねば、とそちらの作業も並行して行う。

19:00

ロンドンオフィス主導で進めているノキアのプロジェクトのための企画書作り。キャンペーンのコアになるようなアイデアと簡単なスクリプト&ムードボード(注2)を3方向ほどまとめる。一緒にやっているCDと最終確認し、ロンドンのECDに送信。いつもこのくらいの時間になって、やっと一人で企画する時間ができてくる。

20:30

今度新しくニューヨークオフィスに加わるECD二人 Scott Vitrone と Ian Reichenthalと挨拶がてら近くのバーで会って飲むことに。いつのまにかPortlandのECD Susan Hoffmanもいる。これから二人を補佐するICD(Interactive Creative Director)も探すそうです。僕はW+Kに合流するとき、ICDの役職を断ってただのCDにしてもらいました。会社的に必要なのは判るのだけど、僕はインタラクティブの仕事だけするのはつまらないと思ったし、そもそも最初から使えるメディアを規定されることはナンセンスだと常に思っているので。うまく社内のインタラクティブをリードしつつ、クライアントにもっとインタラクティブの重要性を売り込めるような人が見つかるといいのですが。

23:30

自宅の机にて。清水幹太さんとスカイプ打ち合わせ。会社が終わったくらいに日本はお昼になるので、時差が逆に便利

帰宅し、酔いが醒めた辺りで清水幹太さんとスカイプで打ち合わせ。再び個人プロジェクトをいくつか一緒に制作しようとしています。今日は最初のアイデア出し。面白いアイデアがわんさか飛び交う 。こういう瞬間が一番楽しい。時間を忘れて盛り上がる。あー、実現させたい。

2:00

再び溜まってるメールに返信したり、ずっと放置していたFWA(注3)のメールインタビューに答えたりしてから、ひとときWebを巡回して和む。

3:30

就寝。

(注1)NIKE Jordan Brand:全米プロバスケットボールリーグ(NBA)の伝説のプレーヤー、マイケル・ジョーダンを冠したナイキのブランド。バスケットボールシューズの「エアジョーダン」などが有名
(注2)ムードボード:作品の世界観を伝える参考イメージなどをまとめたもの。具体的に制作を進める前に、クライアントやスタッフ間で仕上がりのイメージを共有するのが目的
(注3)The FWA:=The Favourite Website Awards 2000年から実施されている英国発の世界的なWebデザインのアワード。優れたWebサイトを毎日一つずつ発表(FWA Site Of The Day=本日のサイト)し、その中から月間、年間の賞を選考していく仕組み。川村さんのインタビューは現在こちらに掲載中

川村真司「世界のクリエーティブ」バックナンバー
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川村 真司(PARTY Creative Director / Founder)
川村 真司(PARTY Creative Director / Founder)

2002年、CMプランナーとして博報堂に入社。2005年に英広告会社BBHの東京オフィス立ち上げに参加し、2007年にオランダ・アムステルダムの180(ワンエイティー)へ。米ニューヨークのBBHを経て、2010年9月からWieden+Kennedy New York クリエーティブ・ディレクター。2011年6月に伊藤直樹氏、原野守弘氏、清水幹太氏、中村洋基氏と「PARTY」を立ち上げ現職。
アディダス、プレイステーション(ソニー)、日産自動車、アックス(ユニリーバ)、グーグルなどのグローバルキャンペーンを手掛けつつ、「Rainbow in your hand」といったブックデザイン、SOUR「日々の音色」ミュージックビデオのディレクションなど活動は多岐にわたる。カンヌ国際広告祭やNY ADC、ワンショー、D&ADなどで受賞。

ウェブサイト: http://www.masa-ka.com/

川村 真司(PARTY Creative Director / Founder)

2002年、CMプランナーとして博報堂に入社。2005年に英広告会社BBHの東京オフィス立ち上げに参加し、2007年にオランダ・アムステルダムの180(ワンエイティー)へ。米ニューヨークのBBHを経て、2010年9月からWieden+Kennedy New York クリエーティブ・ディレクター。2011年6月に伊藤直樹氏、原野守弘氏、清水幹太氏、中村洋基氏と「PARTY」を立ち上げ現職。
アディダス、プレイステーション(ソニー)、日産自動車、アックス(ユニリーバ)、グーグルなどのグローバルキャンペーンを手掛けつつ、「Rainbow in your hand」といったブックデザイン、SOUR「日々の音色」ミュージックビデオのディレクションなど活動は多岐にわたる。カンヌ国際広告祭やNY ADC、ワンショー、D&ADなどで受賞。

ウェブサイト: http://www.masa-ka.com/

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