人と集いコラボレーションで仕事を進める「ソーシャル力」
得丸英俊(電通レイザーフィッシュ代表取締役)
この度の大震災をきっかけとした一連の出来事を経験する中で、ソーシャルメディアの可能性に多くの人が否応なしに気づかされたと思う。ソーシャルメディアは、トリプルメディアの一つとして語られることが多かったが、一生活者にとってみれば、Owned Media、Paid Mediaよりもベーシックなメディア。企業と生活者の間に存在するメディアとしての役割は、その可能性の一部に過ぎない。それだけに、ソーシャルメディアを使いこなし、その上で長所・短所を理解することは、デジタル時代に不可欠なスキルとなったと言えるだろう。
ソーシャルメディアの上では、会社や組織よりも個人が主役。肩書や役職はちょっと影を潜め、個人と個人の結びつきが、より大きな影響力を持つようになってくる。それゆえツールとしてソーシャルメディアを使いこなすこともさることながら、「社交性」ということでのソーシャル力も問われるようになりはじめている。
デジタル化の進展とともにマーケティングは非常に複雑かつ広範な知識・経験を要求されるようになっている。ゆえに、異なる専門性を持つメンバーが集ったチームで課題に対応することが増えてきているはずで、互いの専門性を活かしながらコラボレーションで仕事ができることが大切になってくる。
ソーシャルメディアという優れたツールに支えられ、人と集い、コラボレーションで仕事を進める、広げる、そんなソーシャル力が今我々に求められているし、これからさらにそうなっていくだろう。
(とくまる・ひでとし)
90年代後半から、いわゆるデジタルマーケティングの領域へ。09年に電通レイザーフィッシュの社長に就任、“Experience Innovation”をスローガンに、次世代Agencyのカタチを模索中。
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