海外を旅していると、よく見掛ける販促文句があります。
それが「Buy 1, Get 1 Free」という表示。
これには似たような他の表記もあって、「Buy 1, Take 1.」などもよく見掛けます。
意味は同じで、ひとつ買ったら、もうひとつオマケにあげるよという意味です。
2日前にケニアのピザ屋でまさしく同じキャンペーンをやっていました。街を歩くと、スーパーマーケットなどで特に見掛けることができます。
中古の本屋でも1冊買えば、もう1冊あげるよとの表記がありました。
海外では携帯端末ブラックベリーを1台購入すると1台もらえるというキャンペーンが数年前に提供されたり、車を1台買うと、もう1台という凄いキャンペーンも……なんでもアリのようです。
(無論、理にかなってのことと思われますが)
フィリピンでは、「Buy 1 Keyboard, Take 1 Guitar.」という顧客の需要を半ば無視した無茶苦茶なモノまで存在しました(キーボードを購入したら、オマケにギターをあげるよという意味)。
そして昨日はケニアの紳士服店で、ネクタイを2本買ったら更に3本もらえるという太っ腹なのか、何なのかよくわからない文句まで。
日本ではあまり見掛けないこの手法、アメリカなどの英語圏を中心に海外では一般的に利用されているようです。
(今年の最初に日本国内でマクドナルドがキャンペーンでやっていたようですが)
その理由としてはいくつか考えられるのですが、在庫処理やノルマ商材の売上増大、PR狙いだったりと様々でしょう。また割引(ディスカウント)が厳しく取り締まられている場合にも、この方式であれば問題なく利用することができるそうです。50%オフにするよりも、2個同時に購入してもらったほうが在庫コストも削減できることでしょう。
日本人からすれば、同じ物を2個もらうよりも、半額にして欲しい。
同じ物2つなら、30%オフのほうがマシとの声もあがるかもしれません。
と……上記は一般論なのですが、僕がフィリピンなどの国で現地人と話していて気づいたのは、
実はディスカウントのパーセントの計算が苦手な人が結構いるという点です。
つまりは30%オフや70%オフという日本でなら当たり前のようなディスカウントが、
国によっては教育レベルによって国民の一部の人にしか瞬時に理解できないものであるというリスクがあるのです。
その場合、一個買ったら一個オマケするという手法は非常に明快で分かりやすい。
そういった理由もあり、多くの国でこの販促手法が利用されているのではないかと思いました。
国民のほぼ全員がしっかりとした義務教育を受けられる日本と、そうではない国とでは異なる常識があることを、またひとつ学ぶことができました。
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