「Webサイトの右上って、誰のための一等地?」

文:糸永洋三


現在開発中のWebサイト内に、どこにどういった形で広告枠を設計するか、で、非常に悩んでいる。ここ2週間、開発パートナー、同僚のパウロと一緒に。何回もやりなおしている。コンテンツとの配置バランスを考えながら。そして、いよいよ、今夏のサービスインに向けて、余裕もなくなってきた(苦笑)。

広告会社の本業の一つの柱である「メディアビジネス」の媒体社担当をしていた昨年までの自分には、新しいチャレンジだ。Media JUMPを始める前、さまざまなメディア枠のセールス、企画、商品開発などを行っていた。得意先に対する新規メディア企画、新商品提案のために、媒体社と一緒に協業し企画書を書き、時にハードネゴをして、広告会社としての意思、志を持ちながら仕事をしてきた。そして、そこに広告会社としての存在意義があると思って動いていた。

そして今、Media JUMP。媒体社と協働して、広告をどう売るか? 広告企画をどうつくるか? に、集中していた広告会社時代から、ユーザーに受け入れられるWebサービスをいかに創り、そして運営していくか? というメディア事業主へと立場が変わったことで、Webサービス、メディアを見る、考える目線が180度変わった。

Webサービスサイトの一等地(=ファーストビュー)をどのように、コンテンツと広告を気持ちのいいUIデザインで構成できるのか。当然ユーザーあってのメディアであるため、我々はコンテンツの編集・デザインを中心にUIの検討を重ねている。が、ビジネスモデルのひとつの柱である広告収益としてのディスプレイ広告の設計が中途半端になってしまっていいのだろうか? というジレンマもある。我が子のように手塩にかけて考えまくってつくっているWebサイトは、ユーザーにとって直観的、瞬間的にサービスを理解してもらいたいとも、思う……。同僚パウロと、ディスプレイ広告枠の設置場所とメインコンテンツのUI設計について、議論を長時間続けた。

「Webサイトの右上のレクタングル領域は、誰のための一等地なのか?」

インターネットユーザーに強い関心をもってもらえる「ここでしか知ることができない」キラーコンテンツ、そして「ユーザーそれぞれの趣味趣向に向けた」コンテンツを集約し、ユーザーフレンドリーなUIで、ユーザーのエンタメ期待感にしっかり応える。ソーシャルメディアと連携し、話題となり、さらにCGM的にコンテンツをユーザーが投稿できる仕組みでサービスを主体的にも活用してもらう。ユーザーと我々の間でサービスを通じたキャッチボールがはじまり、まわりはじめてからこそ、広告マネタイズがはじまる。人々がユーザーとして集まり、メディアとして信頼され、期待され、活用されてはじめて、広告価値のあるWebツールになる。当たり前のことだが、ハードルの高いこのループをつくるために、我々はJUMPしつづけている。

社内ベンチャー奮闘記 ~新しい広告ビジネスを目指して バックナンバー
小林パウロ篤史/糸永洋三(MediaJUMP代表取締役共同経営責任者)
小林パウロ篤史/糸永洋三(MediaJUMP代表取締役共同経営責任者)

小林パウロ篤史
1998年総合商社に入社。中南米、アフリカへの自動車輸出業務に携わる。初出張はスーダン。その後、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズにて広告の最前線を経験。「ミクシィ年賀状」などで受賞歴あり。2011年4月から現職。(写真左)

糸永洋三
2000年博報堂入社。大手自動車会社などを担当。その後、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズにて、インターネット領域のメディアプロデュース業務を担当。2011年4月から現職。(写真右)

株式会社MediaJUMP: http://www.media-jump.co.jp
Twitter :  小林パウロ @paulokobayahsi  糸永 @yozoyozo

小林パウロ篤史/糸永洋三(MediaJUMP代表取締役共同経営責任者)

小林パウロ篤史
1998年総合商社に入社。中南米、アフリカへの自動車輸出業務に携わる。初出張はスーダン。その後、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズにて広告の最前線を経験。「ミクシィ年賀状」などで受賞歴あり。2011年4月から現職。(写真左)

糸永洋三
2000年博報堂入社。大手自動車会社などを担当。その後、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズにて、インターネット領域のメディアプロデュース業務を担当。2011年4月から現職。(写真右)

株式会社MediaJUMP: http://www.media-jump.co.jp
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