「日本から世界へ」

相模ゴム工業「LOVE DISTANCE」(伊藤直樹、清水幹太)

メインオフィスは東京ですが、同時にNYオフィスもオープンしました。きちんとしたベースを日本の外にも作り、海外のクライアントともはじめから仕事をしていきます。NYを選んだのは、僕自身がNYにいたからということもありますが、やはり世界中から面白いアーティストやクライアントが集まる街なので、その場を利用して日本と海外との交流の拠点にできればと考えたからです。僕らを含めた日本のクリエイティブたちと海外のクライアントをつなぎ、日本のクライアントたちと海外のクリエイティブたちをつなぐ。そんな日本と世界のブリッジになるような会社にしていけたらと思っています。

日本がとても大変な状況にあるこんな時期に会社をスタートさせるのを心配する方もいるかと思います。でもむしろ、こんな時期だからこそ、日本のクリエイティブの業界が変われるチャンスがあると思っています。日本を襲った悲劇は前代未聞のものでしたが、日本人は歴史的に見ても必ずそういった逆境から強く立ち直ることができる国民だと思っています。

SOUR「映し鏡」(川村真司、清水幹太)

未だに悲劇の爪痕は多く残っていますが、同時にツイッターやユーストリームといったネット上のコミュニケーションプラットフォームの強さや重要性が広く認知され、オンラインコミュニティーの力を感じる機会にもなりました。そういった新たな芽を育み、クリエイティブの力を使ってマイナスをゼロに戻すのではなく、プラスにしていくことこそが大切なのではないかと考えています。

日本から多くの外国人が出て行ってしまった今、僕らから世界へ出て行かないと、日本は確実に取り残されます。海外に長く住んでいると、外にいるからこそ逆に日本の良さに気付ける瞬間があったりします。僕にとっては、日本人ほどモノ作りが巧い人種はいないということに、いろんな局面で気付かされてきました。それを武器にして、もっともっと世界に発信していくべきだと思う。これまでの連載では、言葉足らずだったかもしれませんが、自分としてはそれを伝えていきたかったのだと思います。

世界のクリエイティブという内容でしばらく書いてきましたが、僕はこれからは日本から世界へ向けてのクリエイティブに取りかかっていくことになります。連載は今回で最後となりますが、これまでの文章を読んで僕とPARTYの考えに賛同してくださったクリエイティブの方々やクライアントの方々と、是非つながって一緒に世界を面白くするクリエイティブを作っていけたらと思っています。いつでもメールやTwitterでご連絡ください。

オフィススペースは7月に完成予定になっています。近日、オープニングパーティーや、スタッフの募集をさせていただきますので、興味を持って下さる方は、prty.jp やツイッター(@prty_tokyo)をフォローしてお待ちください。いっしょに、PARTYをはじめましょう。

Let’s Party!

川村真司
Creative Director / Founder
PARTY Inc. (prty.jp)
masa@prty.jp
@masakawa

※連載「世界のクリエーティブ」は今回で終了です。ご愛読ありがとうございました。

川村真司「世界のクリエーティブ」バックナンバー
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川村 真司(PARTY Creative Director / Founder)
川村 真司(PARTY Creative Director / Founder)

2002年、CMプランナーとして博報堂に入社。2005年に英広告会社BBHの東京オフィス立ち上げに参加し、2007年にオランダ・アムステルダムの180(ワンエイティー)へ。米ニューヨークのBBHを経て、2010年9月からWieden+Kennedy New York クリエーティブ・ディレクター。2011年6月に伊藤直樹氏、原野守弘氏、清水幹太氏、中村洋基氏と「PARTY」を立ち上げ現職。
アディダス、プレイステーション(ソニー)、日産自動車、アックス(ユニリーバ)、グーグルなどのグローバルキャンペーンを手掛けつつ、「Rainbow in your hand」といったブックデザイン、SOUR「日々の音色」ミュージックビデオのディレクションなど活動は多岐にわたる。カンヌ国際広告祭やNY ADC、ワンショー、D&ADなどで受賞。

ウェブサイト: http://www.masa-ka.com/

川村 真司(PARTY Creative Director / Founder)

2002年、CMプランナーとして博報堂に入社。2005年に英広告会社BBHの東京オフィス立ち上げに参加し、2007年にオランダ・アムステルダムの180(ワンエイティー)へ。米ニューヨークのBBHを経て、2010年9月からWieden+Kennedy New York クリエーティブ・ディレクター。2011年6月に伊藤直樹氏、原野守弘氏、清水幹太氏、中村洋基氏と「PARTY」を立ち上げ現職。
アディダス、プレイステーション(ソニー)、日産自動車、アックス(ユニリーバ)、グーグルなどのグローバルキャンペーンを手掛けつつ、「Rainbow in your hand」といったブックデザイン、SOUR「日々の音色」ミュージックビデオのディレクションなど活動は多岐にわたる。カンヌ国際広告祭やNY ADC、ワンショー、D&ADなどで受賞。

ウェブサイト: http://www.masa-ka.com/

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