ツイッターの次に来るのはフェイスブック?
現在コカ・コーラには、世界で一番のファン数を抱えるフェイスブックページがあり、その日本語版も6月14日に開始されたわけであるが、コカ・コーラそして筆者のフェイスブック経験はちょうど5年前の2006年の7月にさかのぼる。その時期は世界中のコカ・コーラでインターラクティブマーケティング(iマーケティング)の部署ができ始めたばかりであった。
そしてそれら世界中のコカ・コーラのiマーケターが一度に会する国際会議が、米サンフランシスコで2006年の8月に企画されていたのだが、その連絡方法にフェイスブックが使われていた。その時はまだフェイスブックは米国の大学生に利用が限られており、教育機関を意味する“.edu”のメールアドレス以外の登録を受け付けていなかったが、特別にこの会議の関係者以外は見ることの出来ないコカ・コーラ専用のセクションを作ってくれたのである。
世界のiマーケターはいくつかのグループに分けられ、各種連絡や準備に追われ、私もそのリーダーの一人に選ばれてフェイスブックを使って各種連絡やフィードバックを行っていたのである。よく考えるとその時期が今も含めて一番フェイスブック利用していた時期かも知れない。その会議は盛況に終わりその後もしばらく連絡をしていたりしたが、それも徐々に少なくなって、昨年位までは海外の知人より近況が来るなど以外はほとんど忘れていたといったところだ。
話を戻すと、現在の盛り上がりの一環として、フェイスブックはツイッターというある程度日本人に受け入れられたソーシャルインフラの次にくるものととらえられているのではなかろうか? 確かに昨年はツイッターに関する講演が実施されたり書籍が発行されたりしたので、それらに参加したり本を読んだ人の多くはフェイスブックに興味を持ったとしても不思議ではない。
現状として、ツイッターはブログと並び芸能人などが多く活用しており、そのつぶやきがスキャンダルを暴露したりするケースも多く出てきているが、そのような事例はまだフェイスブックでは出てきていない。例えば、先日東京高等検察庁へ出頭した堀江貴文氏は、かつて人気であったブログから情報発信の中心をツイッターとメルマガに変えており、ツイッターのフォロワー72万人と膨大なフォロワーを有しているのであるがフェイスブックの友人数280人とあまり積極的に活用していないようである。
規模感はまだ不足 日本独自の発展を遂げるか
フェイスブックの使われ方も国によって大きく違うようである。例えば日本ではフェイスブックのビジネス活用が多いので、就業時間中に使っていても情報収集を行っているととられる場合も多いのであるが、個人のプライベートネットワークで日本の携帯メールのように使われることの多い海外では、仕事をサボっていると思われてしまうようである。
実際に筆者のフェイスブックの友達申請のほとんどは海外も含め仕事関係であり、参加しているコミュニティも仕事関係の情報交換が主となっている。プライベートの連絡のほとんどはPC・携帯のメールやミクシィであり、用途が完全に分かれる形となってきている。
色々書いてきたが、結局筆者は現段階のフェイスブックはかつての「黒船」ではないかと考えている。ペリーが来航したときは、正体の判らない日本中にその噂が広まって行ったそうである。世界中を変えたソーシャルネットワークの代表としてフェイスブックは従来のSNSと違うひとつのカテゴリーを形成しているのではないかと考える。
実感として広告の活用にしても企業ファンページにしてもまだブログや日記、ツイッターといった媒体に比べ、まだスケールや盛り上がりに欠けている気がするのは筆者だけであろうか? 先日社内コミュニケーションのインフラとしてフェイスブックを提案したが、まだ利用者が少なく利用が難しいという意見が多く延期することとなった。しかし、黒船の時のようにフェイスブックの本質である「実名制」が普及し、フェイスブックと相性の良いスマートフォンが日本で普及し経営層の理解を得れば黒船当時のようにその後の日本社会を劇的に変化させることが起こってくるのかもしれないと考えており、その時期がいつ来るのか注目していたい。
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