博報堂Global HABIT調査 アジア10都市における日・韓・欧米コンテンツ受容性比較

台北、香港は依然、日本コンテンツびいき。バンコク、ホーチミン・シティなどのASEAN 都市では韓流が浸透中。

博報堂では、グローバル市場でのマーケティング戦略に活用するためのオリジナル生活者調査『Global HABIT(グローバルハビット)*1』を、2000 年より毎年実施しています。このたび、最新(2010 年度実施)のGlobal HABIT 調査のデータをもとに、アジア10 都市における日本・韓国・欧米のカルチャー系コンテンツの受容性比較を実施いたしました。

分析の結果、「マンガ・アニメ」は日本が今なおアジア全体で強い影響力を持っていることが分かりました。中でも台北と香港では、「マンガ・アニメ」に加えて「ドラマ」や「メイク・ファッション」などでも日本コンテンツの影響力が強いことが明らかになりました。

一方で、「ドラマ」は韓国と欧米コンテンツが強く、「映画」と「音楽」は欧米コンテンツが強いという図式も見えてきました。

日本と韓国のコンテンツの影響力に絞って比較してみると、バンコクやホーチミン・シティなどでは韓国コンテンツが日本コンテンツよりも強い傾向が見られ、「ドラマ」、「音楽」、「メイク・ファッション」など影響力が多層化しています。

かつて、「マンガ・アニメ」、「ドラマ」、「音楽」、「メイク・ファッション」といった日本コンテンツはASEAN を含めアジア各国で強い影響力を持っていましたが、現在は韓国コンテンツに押されている状況にあることが分かりました。

*1 「Global HABIT」は、博報堂が日本国内で独自に開発した「HABIT 調査」の手法を適用して、世界の主要34 都市の中・上位収入層を対象に実施しているシングル・ソース調査およびデータベースです。2000 年から本格的にスタートし、生活者のライフスタイル、価値観、メディアへの接触、ブランド評価、消費行動など、大量の時系列データを提供しています。

調査概要

【調査地域】
アジア10都市(台北、香港、メトロ・マニラ、バンコク、上海、ジャカルタ、シンガポール、ホーチミン・シティ、クアラルンプール、ムンバイ)
【分析内容】
「日本」・「韓国」・「欧米」の「マンガ・アニメ」・「ドラマ」・「音楽」・「映画」・「メイク・ファッション」 が、上記の10都市でどの程度受容されているか
【調査対象】
15-54 歳男女 【サンプル数】6,591 名 【調査時期】2010 年5 月~8 月

調査結果

1、日本のマンガ・アニメが、圧倒的な人気。


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<10 都市平均>
日本(27.4%)|韓国(1.7%)|欧米(10.2%)

アジアにおけるマンガ・アニメの受容性を比較すると、日本のコンテンツが圧倒的に高い。特に台北(61.0%)、香港(48.3%)では、欧米や韓国のコンテンツを寄せ付けない。ただし、欧米のマンガ・アニメの受容性は、クアラルンプールでは日本のマンガ・アニメを上回っており、ホーチミン・シティでは拮抗している。韓国のマンガ・アニメは全ての都市で5%を下回っている。

2、韓国ドラマがASEAN 都市中心に浸透。欧米ドラマが強い都市も。


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<10 都市平均>
日本(16.9%)|韓国(26.0%)|欧米(26.5%)

台北・香港以外の都市では、韓国ドラマのほうが日本ドラマよりも人気がある。特に、ホーチミン・シティ、バンコク、メトロ・マニラなどのASEAN 都市での日韓の差は20%以上の開きがある。しかし欧米ドラマも加えて比較すると、ホーチミン・シティ(60.2%)、シンガポール(38.8%)、クアラルンプール(36.4%)では、欧米ドラマの受容性が一番高い結果となっている。

3、全ての都市で、欧米映画が圧倒的な強さ。


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<10 都市平均>
日本(12.8%)|韓国(15.4%)|欧米(54.4%)

映画の受容性を見ると、欧米映画が圧倒的に高い。アジアの全ての都市で、日本・韓国の映画を大きく上回る。特に台北で90%を越えているのに続き、香港、メトロ・マニラ、ホーチミン・シティ、シンガポールでは60%を超えている。日本映画と韓国映画の受容性を比較すると、日本映画が韓国映画を上回っているのは台北と香港。韓国映画が日本映画を上回っているのは、ホーチミン・シティとバンコク。上海では日韓の映画が拮抗している。

4、音楽も映画同様、欧米コンテンツが圧倒的な強さ。


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<10 都市平均>
日本(10.3%)|韓国(9.8%)|欧米(34.5%)

音楽の受容性でも欧米音楽が圧倒的に高く、台北、メトロ・マニラ、シンガポールでは50%を超えている。日本音楽と韓国音楽を比較すると、日本音楽が韓国音楽よりも高いのは台北と香港。韓国音楽が日本音楽よりも高く差が大きいのはバンコクとホーチミン・シティ。日本・韓国・欧米の受容性が拮抗しているのは上海。

5、台北・香港は日本のメイク・ファッションの影響大


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<10 都市平均>
日本(16.2%)|韓国(12.7%)|欧米(15.3%)

影響を受けているメイク・ファッションについて聞いたところ、台北(52.1%)と香港(50.3%)では、圧倒的に日本のメイク・ファッションの影響力が強く、2 人に1 人が影響を受けていることが分かる。バンコク(23.2%)と上海(22.0%)では韓国のメイク・ファッション、メトロ・マニラ(34.8%)、シンガポール(24.4%)、ホーチミン・シティ(18.2%)では欧米のメイク・ファッションの影響力が強い。

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