株式会社博報堂DYメディアパートナーズと株式会社博報堂は、エンタテインメントやスポーツなど計9ジャンルのコンテンツに対する生活者の消費行動の実態を把握する「コンテンツファン消費行動調査」を実施しました。
(全国15~69歳男女/計4000名/全国7エリアを人口構成比および性・年代で割付)
この調査は、業界団体別の出荷/売上データなど既存のコンテンツ関連調査では把握できなかった、生活者のコンテンツ消費実態に本格的に迫った国内初の調査です。博報堂DYメディアパートナーズ・メディア環境研究所と博報堂研究開発局の共同研究プロジェクトが企画・実施いたしました。
調査では、「バラエティ・ドラマ」「アニメ・特撮」「マンガ・小説」「映画」「音楽」「ゲーム」「美術展・博覧会」「スポーツ」「特定のタレント・人物」の計9ジャンルを対象に、各ジャンルのコンテンツファンのコンテンツ利用状況やお金の使い方(支出項目・支出額等)を詳細に分析しました。
分析の結果、平均4.2ジャンルの「複数のコンテンツジャンルにまたがった消費」や、パッケージ、グッズ、イベント、動画配信等の「多様な項目にまたがった消費」、さらに「有料・無料にまたがった消費」と、日本のコンテンツファンの意欲的な“またがり消費”の特徴が明らかになりました。
この結果からは、複数ジャンルを組み合わせた形でファンを開拓したり、イベント等のライブ体験型コンテンツ消費や関連グッズといった周辺市場を意識した消費の掘り起こしの可能性を読み取ることができます。
博報堂DYメディアパートナーズと博報堂は今後も、生活者のコンテンツ消費動向に関する調査を定期的に行っていきます。
調査結果
1.複数のコンテンツジャンルにまたがる
生活者の80.9%が、過去1年間にコンテンツを利用。利用ジャンル数は平均4.2 ジャンル、平均支出額は年間7 万4502 円。
2.パッケージ、グッズ、イベント、動画配信など多様な項目にまたがる
従来のパッケージ消費から、ロケ地旅行・イベントなどのライブ体験型コンテンツ消費まで項目が多様化。特にリアル体験型コンテンツ消費は平均支出額が高い。
(例:ドラマ・バラエティ作品のロケ地旅行:55,136 円/アニメ・特撮コミックマーケット:20,951 円)
近年のメディア環境の変化に伴い、生活者のコンテンツ支出項目は、従来のパッケージ消費(CD・DVD や楽曲のレンタル・購入、ゲームソフト、マンガ単行本等)に加え、関連グッズ、ファンクラブ、動画配信、イベントなど多様化の一途をたどっていることが、調査から明らかになりました。(例えるならば「金額の大小に関わらず、レシートが長くなっている状態」と言えます。)特に、ドラマ・バラエティジャンルでの「ロケ地旅行」の平均支出額が55,136 円、アニメ・特撮の「コミックマーケット」の平均支出額が20,951 円と、リアル体験型コンテンツ消費での支出額が高いことが分かりました。
3.有料・無料にまたがる
「ファン=お金を使う」とは限らない ―「プロ野球」では約6割強、「ドラマ・バラエティ」では約5割、「アニメ・特撮」では約3割のファンがコンテンツを無料で楽しむ。
コンテンツファンの行動を「ファン」と「支出」の2つの行動から分析した結果、「そのコンテンツのファンである=お金を使う」とは必ずしも限らないことが明らかになりました。
- 無料で楽しむ人が多いジャンル (ファンのみ層=ファンであるが支出していない人が多い)=「ドラマ・バラエティ」、「アニメ・特撮」、「プロ野球」
- ファンであり、お金も使う人が多いジャンル (ファン&支出層が多い)=「マンガ・小説」、「映画」、「音楽」、「ゲーム」、「美術展・博覧会」
- 特にファンではないが、お金を使う人が多いジャンル (支出のみ層=ファンではないが支出している人が多い)=「マンガ・小説」、「映画」、「ゲーム」
このように有料・無料を使い分け、複数のコンテンツジャンル・多様な支出項目に「またがり消費」するファンに向けて、従来のビジネスをベースに、どのように新しい関連市場を開発していくかが、今後のコンテンツビジネスに取り組む上でのカギとなると言えます。
<博報堂DYメディアパートナーズ>
広報室 加藤・山崎 TEL:03-6441-9347
メディア環境研究所 加藤 TEL:03-6441-9713
<博報堂>
広報室 藤井・山野 TEL:03-6441-6161
研究開発局 木下 TEL:03-6441-6483