東日本大震災で被害を受けた酪農、乳業の復興と再生を目的に、業界関係者による集いが13日都内で開かれた。牛乳の生産者や乳業者、販売者などを横断的に組織する業界団体「日本酪農乳業協会」(Jミルク)の主催によるもので、広く業界関係者の意識統一を図る狙い。会の模様はネット動画配信サイト「ユーストリーム」を通じて中継され、酪農家らがツイッターを通じて応援のコメントを寄せる場面も見られた。
集会には、被災地の酪農乳業関係者約50人が参加した。うち3人が登壇し、出荷制限や風評被害に苦しむ現状について紹介した。このほか、傘下団体のトップらが取り組みなどについて披露したのち、「安全、安心な乳製品を供給する」などの共同宣言を採択した。会場には全国の酪農、乳業関係者のほか、えさや機械、薬品、包材などを供給するメーカーらも参加した。Jミルクによると、こうした全国規模の集会の開催は初めて。
ユーストリームによる中継を実施したのは、酪農関係者らのリアルタイムでの参加を促す狙いがある。業界内でのソーシャルメディアの普及度合いは決して高くないが、「ツイッターを使う酪農家は把握しているだけでも200~300ほどある」(Jミルクの前田浩史専務理事)とし、業界内の結束を強くするためのコミュニケーションの中心に酪農家を位置付けた。
Jミルクは今回の集いを業界活性化に向けたプロジェクトの開始と位置付け、今後は一般消費者に向けた牛乳や業界の広報活動を展開するとしている。