現在、以前にコラムでも紹介したカウチサーフィンを利用して、フランス在住スイス人のお宅に泊めてもらっています。彼はフランスのデジタルアドバタイジングエージェンシーに勤めていて、ヨーロッパのデジタル領域に詳しいです。
そんな彼の周囲で最近話題になったというツイッターを利用した就活事例を教えてもらったのでご紹介します。オランダ在住の2人組クリエイティブユニットのWonder Yearsがこのアイデアを実践し、志望していた企業から実際に採用をゲットしたそうです。
これはもう思わず、イイネ!(Like!)と叫んでしまう方法。ご覧あれ!
いかがでしょうか?
彼らはツイッターのユーザーインターフェースの特徴を捉えて、5つのアカウントを用意し、『HIRE US(私達を雇って!)』と表示させたのです。そのターゲットとするユーザーが外部アプリケーション利用しているのか、ツイッター公式ウェブサイトからツイートしているかどうかは、皆さんご存知の通りに簡単に判別可能です。
おそらく、ターゲットがリアルタイムにツイートしている頃合いを狙って、5つのアカウントで順にフォロー。そして、HIRE USを表示させて、ターゲットの注目を集めて仕事をゲットしたのでしょう。
実際に彼らのツイッターアカウントの過去ツイートにはこれまでに手掛けた仕事の事例などがわかりやすく表示されていました。広告業界の就職活動としては良質な自己アピール手法、かつ職務経歴書だったと呼べることでしょう。(※もちろん、この手法は彼らがターゲットとしていた決裁権のあるクリエイティブディレクターがターゲットだからこそ評価されたのだと思います)
そんなアイデアを実施した彼らにこのコラムで取り上げたいと思い、コンタクトをしたら返事がきました。
「クリエイティブディレクターは常に忙しいから、彼らに直接リーチするのは非常に難しい。しかし、彼らはツイッターを使って世の中を知る時間を持っている。そこで僕らは彼らにツイッターを使って興味を持ってもらうためのアイデアを思いついたんだ。その結果、実際にいくつかの広告会社や採用担当からコンタクトを受けたよ。そして今、僕らは某クリエイティブエージェンシーから正式オファーをもらって働いているよ。(一部抜粋)」
最後に彼らに「何か日本の広告・マーケティング領域で働いている人に伝えたいことはありますか?」と尋ねると、『虎穴に入らずんば虎子を得ず。』と日本語で返事がきました。・・・・さすが!(笑)
この方法は日本の新卒採用や、転職活動、それ以外にも企業営業などに上手く応用できるかもしれませんね!ただ、皆が皆やってしまうと面白味も無くなるのと、それを目的に無数のアカウントからフォローされたら人事部などはたまったものじゃないですよね……。これは一発ネタでやったもん勝ちでしょう。でも、これに触発されて、次なるクリエイティブなアイデアと事例が生まれるのを少し期待してしまいますよね!
以上、個人的に面白かった事例だったので紹介させて頂きました。
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