テレビとツイッターの相性の良さがあらためて浮き彫りに
7月18日早朝、日本の劇的な優勝で幕を閉じたFIFA女子ワールドカップは、読者の皆さんの記憶にも新しいのではないだろうか。経済効果1兆円との予測もあるこの快挙は、復興の途上にある日本に大きな希望を与えてくれた。
このコラムに関連するインターネット広告の切り口では、テレビとツイッターの相性のよさがあらためて浮き彫りになったと筆者は考えている。というのも、Mashable によると今回の日本vs. 米国の決勝戦のTPS(Tweet per Second、秒間ツイート数)は7196で、同じく7月17日に行われたコパ・アメリカのブラジル vs. パラグアイ戦時の7166をわずかに上回りトップの座を獲得したということだ。
ほぼ同じ時間帯に行われたこの両試合の共通点は、全世界へ向けて放送される国同士のサッカーの試合ということである。ちなみにそれまでの記録は2011年の日本時間の新年で 6936件、昨年のFIFA男子ワールドカップ時の最高は日本 vs. デンマーク戦時の3283、米スポーツの最高峰2011年スーパーボウル時は4064だったということである。
今回のツイッターのアクセス数の裏には色々な理由があると考えられるが、まずは規模であろう。つまり当然ではあるがTPSの多いイベントは全世界で中継され、ツイッターのユーザーが多い国に関わっているということである。コムスコア によればツイッターの利用者数比率の多い国にブラジルと日本が挙げられるが、それに加え米国がかかわっていたことが大きいだろう。米国では900万人以上のフォロワーがいるオバマ大統領も歴史的な決勝戦をテレビ観戦しながらツイッターでつぶやいており、米国民全体がつぶやく状況ができたのではないか。
また日本では試合時間が未明から早朝にも関わらず、中継が6時台に21.8%、瞬間最高視聴率が27.7%と大変な国民的関心を集めた大きなイベントであった。その圧倒的な地球的な規模に次いでは“同時性”が挙げられるだろう。男子・女子両試合ともTPSのピークが特に勝敗がつくPK合戦であったということも大きな要因だと考える。このように、大規模に同時性が実現するテレビ中継が行われる時にツイッターはその威力を発揮するのではないだろうか。しかし、単にこの規模と同時性だけでは以前より人気の高い男子サッカーが女子に引けをとるということは説明できない。
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