電通とケーブルテレビ大手のジュピターテレコム(JCOM)は29日、JCOMのVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスで、企業のCMを視聴すると視聴料が割り引きとなる広告モデル「CM割」を9月1日から試験的に始めると発表した。第一弾として、TBSテレビのドラマ「JIN-仁-」「IRIS-アイリス-」「メリは外泊中」など16タイトルを対象にCMを配信する。
視聴前に、ジャンルの異なる8つのCMの中から見たいものを1つ選んで視聴することで、番組の視聴料金が105円割り引きされる。視聴料は60分のテレビ番組で315円。CMは60秒~180秒の長尺版が用意され、ユーザーは視聴後に簡単なアンケート評価を行い、番組視聴に移る。すでに映画や製薬、家電などの広告主の出稿が決まっているという。
広告主は、ユーザーの視聴回数に応じて広告料金を支払う仕組み。電通によると、「視聴者は複数業種の中から自ら選んだCMを視聴するので好意を持って見てもらえる。また長尺タイプのCMを見てもらうことで、より商品・ブランド理解につながる」と説明する。
VODは、映画やテレビ番組などの映像コンテンツを番組単位で購入・視聴できるサービス。課金モデルのため広告は入っていなかった。両社はこのサービスをまず3カ月間実施し、利用状況を見て今後の継続について検討するとしている。