調査で実証、テレビとソーシャルメディアの高い親和性
1秒あたりのツイート数が過去最高の7196件を記録―――。米ツイッター社は7月17日に行われたサッカーの女子ワールドカップ決勝で、「なでしこジャパン」がPK戦に勝利した瞬間に、1秒あたりのツイート数が過去最高を記録したと発表した。
この事象について電通、コミュニケーション・デザイン・センターの森直樹氏は「今やお茶の間はソーシャルな空間にあることを示す好例。テレビとソーシャルメディアの親和性の高さを裏付ける結果だ」と話す。
森氏ら同センターでは、今年6月に日本におけるソーシャルメディアの利用動向について、ユーザー調査を実施。「ツイッターユーザーの12%が、ツイッターにテレビの内容を書き込んだことがある」、また「フェイスブックユーザーの25%、ツイッターユーザーの31%がソーシャルメディアをきっかけにテレビ番組を認知した経験がある」ことがわかった。
「1割の人が、ソーシャルメディアをきっかけにテレビのスイッチを入れた経験があると回答するなど、ソーシャルメディアがテレビ番組の認知と視聴のきっかけを作っていることがわかった」と森氏。さらに同氏は二者の親和性が高まる背景に、スマートフォンの浸透があると指摘する。
電通、コミュニケーション・デザイン・センターでは6月にスマートフォンの利用実態に関するユーザー調査も実施。現在、日本のスマートフォンユーザーは1000万人を超えるとみられるが調査の結果、「スマートフォンを使う場所として、リビング(52%)や寝室(55%)と、テレビのある部屋との親和性が高いことがわかり、実際3割のユーザーがテレビを見ながら、スマートフォンを操作していることがわかった」という。
「トリプルスクリーン時代といわれるが、調査から複数のデバイスに同時に接するユーザーの実態が見えてきた。これまでもスマートフォンユーザーはソーシャルメディアの利用が積極的と言われてきたが、ソーシャルメディアがテレビとスマートフォンの親和性を高めるフックとなっている」と森氏は話す。
新しいデバイスの浸透はユーザーのメディア接触行動に大きな影響を与える。テレビからソーシャルメディアへ、ソーシャルメディアからテレビへ―――。今後も浸透が見込まれるスマートフォンだけにユーザーの利用実態に即し、マーケティング・コミュニケーション活動にも変化が求められている。
本文中で結果を紹介したソーシャルメディア利用動向に関する調査の概要
調査手法
インターネットリサーチ
調査エリア
全国
調査対象
15歳(高校生以上)~59歳の男女 1035ss
※インターネットユーザー比率で性年代別に割付回収
調査期間
6月15日~6月24日
調査実施
電通 コミュニケーション・デザイン・センター 次世代コミュニケーション開発部