はじめまして。これからしばらく「ネット上で流行った記事」を紹介しつつ、なぜそれが流行ったのか、などを色々書かせていただきます。流行るには「旬だった」「テレビでOAされていた」「人々の怒りに火を点けた」など様々な要因があるものですが、ネットで特に重要なのは記事の「タイトル」です。
今後マーケティングや企業関連の話もしていきますが、第一回は軽いエンタメ系のネタと「タイトルの付け方」でいきますね。
先日、アメブロを開始したと同時に23歳新妻・綾菜さんの写真を公開したお笑いタレントの加藤茶(68)が話題になりました。妻に対しては「美人だ!」「かわいい!」などと絶賛する声多数で、ヤフートピックスにもそのことを報じるRBB TODAYの記事が掲載されました。
元々、加藤茶の結婚をスッパ抜いたのは週刊ポストだったわけですが、それを受け、女性セブンが新妻の両親を取材した記事がありました。いま、私は雑誌記事をネット向けに編集し直す仕事をしているのですが、この女性セブンの記事には以下のような見出しをつけました。
- 加藤茶の23才妻の父(37)「戸惑ったが会うと本当にいい人」-NEWSポストセブン
記事の内容は、初めて結婚することを報告された時の両親の様子や、加藤が「綾菜さんを必ず幸せにします」などと話したことが中心でした。しかし、私がもっとも記事中で気になったのは、以下の部分です。
広島県内にある彼女の実家を訪れると、機器製造会社を経営する綾菜さんの父親(37)と母親(44)は、「あまり話せないんです…」と口ごもりながらも、喜びの胸の内をポツリポツリと話し始めた。
どう考えてもこれは(37)が気になって仕方ない! お父さん、14歳で娘さん産んでるの? 加藤茶よりも31歳も若いお父さんってどんな人??? というところに興味がいきます。女性セブンの編集者には「この(37)って誤植じゃないですよね?」と聞き、誤植ではないことが確認できたため、タイトルには「(37)」を入れることを決定。というわけですので、実は、「戸惑ったが会うと本当にいい人」はメインの部分ではなかったのですね。
重要だったのは「23歳妻」と「(37)」だけ。こちらの狙い通り、記事はかなりのPVを稼ぎ、ツイッターでは632ツイート、フェイスブックの「いいね」は309、配信先でも多数のツイートをされました。意見のほとんどは「(37)」に対するものだらけでした。
2ちゃんねるには「加藤茶の結婚相手23歳、その父親37歳、母親44歳 ・・・37歳?!!!」というスレッドが立ち、「何がなんだか分からない」と戸惑う人や「きっと10進数と16進数が混在してんだろ」などと議論されました。
それが2ちゃんねるの「まとめサイト」へ行き、それがさらにツイートされ……というスパイラルをこの「加藤茶の23才妻の父(37)」というひとことが生んだ、とまでは言いませんが(取材をした人あってのタイトルですから)、大きく影響したのだと思います。
何かWebサイトを作ったり、企画をする際は「これってどういうこと?」という「突っ込みポイント」を作った方が拡散されると思いますよ。ネットって、みんなが自由にワイワイ言いあう場所ですからね。