前回は、「企画のレシピ」というテーマで、企画の基本構造についてお話をしました。
今回は、オリエン準備~プレゼンまで「企画の時間割」についてお話を進めたいと思います。
プレゼン結果は“時間割”で決まる
企画の時間割とは、「企画を通す」ために必要な各タスクにかける時間配分を調整・管理する、企画提案タイムマネジメント術です。
プレゼンまでに使える時間を全部で100%とすると、「オリエン準備→コンセプトメイク」に30%、「実施案」に40%、残りの30%を「企画書作成を含めたプレゼン準備」に使うという配分が、カミトモ式の「勝てる企画の時間割」です。今まで、いろいろと試行錯誤を重ねましたが、これが割としっくりきています。皆さんは、どんな時間割で仕事を進めていますか?
「勝てる企画の時間割」
あなたの時間割 チェックポイント
次に、時間割のチェックポイントを紹介します。これらのポイントでご自分の時間割を振り返ってみて下さい。
ポイント①オリエン準備
「オリエンを聞かなきゃ、はじまらない?」
「オリエンを聞かなきゃ、はじまらない」…よく耳にするフレーズです。でもそんなことはありません。むしろ、プレゼンまでのタスクの中で、オリエン前の下調べくらい重要なタスクはない、とさえ言えます。なぜならば、このタスクの精度次第では、オリエン内容をミスリードしてしまうからです。スタートラインでつまずいてしまっては、実力があっても勝てません。オリエン準備を怠り、オリエンから始まる時間割は「勝てない時間割」です。
ポイント②コンセプトメイク
「コンセプトが、なかなか決まらない?」
「コンセプトに時間をかけ過ぎて、実施案の詰めが甘くなった」…これも割とありがちな話です。コンセプトメイクは、企画の柱として重要ですが、「オリエン準備」と「オリエン内容の整理」が出来ていれば、割とスンナリと決められるものです。「なかなかコンセプトが決まらない」ということがあるとすれば、たぶんオリエン準備と与件の整理が甘いからです。
ポイント③実施案
「時間がないから、今回は安全に複数案で?」
「時間がないから、今回は安全に複数案で」…プレゼン期日が迫ったミーティングで、意見の噛み合わないアカウントとディレクタがよく交わすヤリトリ。僕にも同じような経験が幾度もありました。
“複数の実施案”を提案すること自体は、大賛成です。ただし、それらが同じコンセプト(=考え方)から成立していればの話です。コンセプト(=考え方)が異なる複数案を提案することは、“考えがまとまらなかったコト”をクライアントに自ら暴露するようなもの。安全策どころか失策にさえ成りかねません。このような事態を避けるためには、予めコンセプトに基づいた“コミュニケーションモデル”をつくり、スタッフ間で共有しておくことが有効です。 (次ページへ続く)