8万人のファンがネット上で「バーチャル行列」
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人気アイドルグループAKB48のメンバーがお笑い芸を披露するコント番組「びみょ~」の初回分が29日19時から、インターネット上でオンエアされた。番組はNTTぷららの映像配信サービス「ひかりTV」の会員向けのほか、ニワンゴが運営する動画中継サイト「ニコニコ生放送」でも人数限定で放映され、その権利を獲得するために事前に行われたWebイベントには、約8万人のファンが参加した。
「体を張ってます。もはやAKBってアイドルじゃないんじゃないかと思います」――。カツラをかぶって体当たりのコントを演じたメンバーの大島優子は同日オンエア前に番組をアピールした。
番組は作詞家の秋元康氏のプロデュースによるもので、「ひかりTV」向けコンテンツとして毎週木曜日23時30分から30分間、来年3月までオンエアされる。初回のみ19時から1時間の特別番組として、大島ら5人のメンバーが生出演した。
今回の「ニコニコ生放送」視聴権利の獲得をめぐるWebイベント「プレミアチケット争奪戦」は、番組のPRとひかりTVの加入促進を目的に24日から28日まで実施したもの。特設サイト上で、ユーザーはそれぞれ選んだバーチャル上のメンバーと「じゃんけん対決」を行い、勝つと当日番組サイトにアクセスできるシリアルコードがもらえる。じゃんけんはメンバーごとに一人ずつと行う仕組みになっており、ユーザーはエントリー順にネット上で「行列」をつくることになる。
待たされることで盛り上がる ファンの「熱」が最高潮に
じゃんけん対決は各日とも21時に開始、20時からエントリーを受け付け、それぞれ定数に達するまで続けられた。ユーザーはじゃんけんに負けると視聴権利を得られないが、並び直すことで再びチャレンジできる。メンバーと対決するために平均で2~3時間、初日には最大14時間待ちの行列がつくられた。
「待たされることで大きな盛り上がりを見せた。AKB48ファンの持つ『熱』とパワーの強さが今回のキャンペーンでは欠かせない要素だった」と、企画した電通ストラテジック・プランニング局の加我俊介氏。チケット争奪戦のWebサイトはバスキュールが企画制作した。
告知は主にネットメディアへのPRで実施。AKB48が新曲を歌うメンバーを決める「AKB48 24thシングル選抜じゃんけん大会」を実施していたことから、「もうひとつの“じゃんけん大会”」としてファンを中心に話題の拡散を図った。争奪戦の5日間、ツイッター上での関連ツイート(つぶやき)数は20万超に上ったという。
ひかりTVはこれまでもAKB48を起用した楽曲タイアップCMを放映するなどしてきたが、今回のようなコント番組の制作は初めて。幅広いファン層を取り込むことを目的に実施した。