前回から引き続き「オリエン準備(=現在の仕組の把握)」について、です。前回は、オリエン準備の意義や必要性についてお話をしました。今回は、より実践的なコツ(「仕組」を把握するコツ)へとお話を進めたいと思います。
“ビジネスの仕組” =(市場)×(製品)×(プロモーション)
まずビジネスの仕組についてです。“ビジネスの仕組”とは、「市場」、「製品」、「プロモーション」の3つのファクタで形成された企業のマーケティングミックス戦略と言えます。したがって3つのファクタについて、その在り方を観察すれば、企業の“現在の仕組=戦略”が見えてきます。
一般的にマーケティング業界では、売り手視点である“4P”と、消費者視点である“4C”、この一対でマーケティングミックスを考察・観察する手法が有効とされています。
自分流のフォーマット
ただ既存の“4P&4C”の手法は、僕にとって漠然とし過ぎていて、上手く活用できませんでした。そこで僕は、自分流のカスタマイズを施して使っています。どんな立派な道具でも、使いこなせなければ、意味などありません。皆さんも、自分の手に馴染む“道具=方法”を、探してみてはいかがですか。参考までに、僕がいつも使っているフォーマットをご紹介します。
①市場環境の把握(⇒6Pで観察)
まず、市場環境の把握です。僕が使っているフォーマットは、既存の “4P”手法に、自分流のカスタマイズを施した“6P”です。
自社製品(Product)、見込客(Prospects)、協業者(Partner)、流通チャネル(Place)、プロモーション(Promotion)、競合状況(Positioning)、の6つの観点から市場環境を観察します。また、観察ポイントを明確にするために、あらかじめガイドラインを設定することで、具体的に何を調べるか迷わないように工夫しています。その観察ポイントのガイドラインを紹介していきます。
自社製品(Product)
⇒ その製品は、プロダクトポートフォリオ上どのドメインに位置するか?
⇒ その製品の市場シェアは、何位くらいか?
⇒ その製品の売上は、上り調子か、下り調子か?
見込客(Prospects)
⇒ 見込客は、 B2C、B2B、B2B2Cのどれか?
⇒ 見込客は、増加の傾向か、横ばいの傾向か、減少の傾向か?
⇒ 見込客は、購買者か、利用者か、あるいはその両方か?
協業者(Partner)
⇒ その製品は単独で消費できるか?
⇒ 単独で消費できない場合、現在どんなパートナーがいるのか?
⇒ どんなパートナーがいれば、より消費しやすくなるか?
流通チャネル(Place)
⇒ メインの流通チャネルは、直販か、小売か?
・直販の場合、販売形態はどのようなものか?
・小売の場合、パートナーは誰か?
プロモーション(Promotion)
⇒ タッチポイント(メディア)は、どこか?
⇒ ランディング先(コンテンツ)は、どこか?
⇒ コールトウアクション(コンバージョン)は、何か?
競合状況(Positioning)
⇒ 同じジャンルの競合製品は、何か?
⇒ 別のジャンルの競合製品は、あるか?
⇒ 競合製品に対する優位性はあるか、何か?
以上が、僕が市場環境を把握するために使っているフォーマット(6P)&観察ポイントのガイドラインになります。
(次ページへ続く)