②製品力の把握(⇒4Cで観察)
つづいて、製品力の把握です。こちらは、マーケティング業界でよく使われる“4C”手法をそのまま使っています。
顧客価値(Customer value)、顧客コスト(Customer cost)、利便性(Convenience)、コミュ二ケーション(Communication)、の4つの観点から製品力を観察します。自分流の工夫としては、良いファクタ、悪いファクタ、の両面から観察できるように、ガイドラインを設定している点です。こうすることで、製品の特徴(長所と短所)を立体的に把握できるので、次のプロセス(=課題抽出やコンセプトメイク)に向けた、アタマの準備体操になります。
顧客価値 (Customer value)
⇒なぜその製品を買うのか?(⇒どうしたらもっと買うか?)
⇒なぜその製品を買わないのか?(⇒どうしたら買うか?)
顧客コスト (Customer cost)
⇒表示価格と実勢価格の差は、どの程度あるか?
⇒表示価格で売れない理由は何か?
利便性 (Convenience)
⇒現在の販売チャネルは、顧客にとって購入しやすいか?
⇒もっと購入しやすい販売チャネルは、他にないか?
コミュケーション (Communication)
⇒顧客とタッチポイントとの整合性は?
⇒顧客とランディング先との整合性は?
⇒顧客とコールトウアクションとの整合性は?
③プロモーション環境の把握
(⇒コミュニケーションモデルで観察)
最後にコミュニケーションモデルについてです。コミュニケーションモデルとは、プロモーションの回路設計図です。タッチポイントから販売チャネルへ至るカスタマージャーニーの流れを、メディアの相関やコールトウアクションを含めて、モデルの中で定義します。
このモデルが設計通り機能すれば、プロモーションは成功しますし、もし、現在何らかの問題があるならば、モデルのどこかに不具合が潜んでいる可能性があります。コミュニケーションをモデル化することで、問題点や改善点を発見しやすくなります。詳細なものは紹介できませんが、簡単なコミュニケーションモデルのサンプル図を紹介します。
ビジネスの仕組の把握=「市場(6Pで観察)」×「製品(4Cで観察)」×「プロモーション(コミュニケーションモデルで観察)」
・6P視点で観察して、市場環境を把握する。
・4C視点で観察して、製品力を把握する。
・コミュニケーションモデルで観察して、プロモーション環境を把握する。
以上がオリエン準備で把握するべき「仕組」になります。
さて、「オリエン準備で勝負が決まる」をテーマに、前・後編の2回に渡ってお話をしました。オリエン準備は最も重要な作業かもしれない…以前そんなコトをお話しましたが、いかがでしたか。ヤルことが多くて面倒そうに見えますが、実際は3~4時間くらいで完了できる作業です。
オリエン前に知り得る情報は、ごく限られたものですが、企業名と製品名(もしくはサービス名)くらい知っていれば、インターネットで様々なコトを知り得ることができます。オリエン前に、これくらい押さえておけば、オリエン当日のクライアントとのシンクロ率は、確実にアップしますし、不明点があっても、ピントのあった質問ができるはずです。忙しいとついつい疎かにしがちな“オリエンの準備”ですが、皆さん、ちゃんとやりましょう。
次回は、「オリエン後の課題整理」について、です。