前回はオリエン準備(現在の仕組の把握)の重要性とコツについてお話しました。今回はオリエン後の課題整理へと話を進めていきたいと思います。第一回目のコラム(企画のレシピ)で、(課題)=(現在の仕組)×(問題点)と紹介しました。オリエン準備で把握した「現在の仕組」に、「問題点」を掛けあわせれば、課題は抽出できます。文字にすると、とっても簡単そうです。でも、具体的にはどうやって??? 今回はそのコツを紹介します。
問題と課題のちがい?
本題に入っていく前に、僕的には片付けておきたいことがあります。「問題と課題のちがい」についてです。ググッてみると、実に多様な解釈が溢れています。基本的なコトなのに意外にもコンセンサスがありません。検索結果を眺めてみると、どの解釈も間違いとは思われません。でも、今イチピンとくるものがありません。
せっかくの機会なので、“問題”と“課題”をモデル化することによって、「問題と課題のちがい」についてプチ定義してみようと思います(当たり前のことを述べるだけなので、「かったりぃ」と思う人は読み飛ばして下さい)。
まずは「問題」から。問題の構造をモデル化してみます。下の図を参照して下さい。
前にもお話しましたが、世の中は様々な仕組で出来ています。“仕組”は実行すると“結果”を生み出します。結果には(-)要因と(+)要因が混在していて、結果に占める(-)の割合が大きい場合を指して、“悪い結果=問題”と一般的に呼ばれるようです。ここでのポイントは“(-)要因だけ(+)要因だけの結果など存在しない”、つまり、“モノゴトには必ず(+)(-)の両面がある”ということです(宣言通り当たり前のことです。でも油断すると、モノゴトの片面だけを見て考えたと勘違いし、その良し悪しを判断しがちなので、気をつけましょう)
繰り返しになりますが、どんな結果にも(+)要因と(-)要因が含まれていて、(-)要因の割合が大きい結果の状態を、「問題」と認識しています。
続いて「課題」についてプチ定義していきます。まずはモデル化です。下の図を参照して下さい。
よく“問題”の裏返しが“課題”と思われがちですが、それは取り違いです。例えば「問題=新規顧客の伸び悩み」に対して「課題=新規顧客の獲得」などがソレですが、それは“課題”ではなく“目的”です。問題”の裏返しは“目的”になります。
それでは“課題”とは何でしょう? 悪い結果を生んだ、悪い仕組の中の“原因”に対して働きかけ、良い仕組へと改善するアプローチ、それが“課題”です。このへんをクリアにしておかないと、トンチンカンな課題を元に、トンチンカンな企画が出来上がってしまうので、要注意です。ここでのポイントは、“課題”は問題の裏返しではなく、悪い結果を生んだ、悪い仕組の中の原因に対して、働きかけるアプローチだということです。
以上が「問題と課題のちがい」についてのカミトモ式のプチ定義になります。(次ページへ続く)