徳島県および公益財団法人とくしま産業振興機構は、同県内の企業のLED応用製品を集めた「東京常設展示場」を、11月22日にリビングデザインセンター OZONE(東京都新宿区・新宿パークタワー7階)内にオープンする。こうした形で県内企業が集まり、長期的に東京で展示を行うのは初めてのこと。
徳島県では2005年に「LEDバレイ構想」を策定。この構想ではLEDを利用した光関連企業の工場、研究所等の集積と、高度技術者の育成や先端的技術の研究開発を行う拠点づくりに取り組んできた。近年は企業、大学等、関係団体、県民、行政など地域が一体となって「LEDバレイ」の実現に向けて動いており、「LED王国・徳島」というキャッチフレーズを掲げている。
現在、同県には100社を超えるLED関連企業があり、その製品分野はLED素材・部品・デバイス、照明器具やサインディスプレイ、計測装置など多岐に渡る。しかし、その用途は主に事業所などでのBtoBでの活用。また、企業の多くは東京に営業所を持っておらず、新しい販路開拓が難しい状態にあった。さらに近年、LED市場が急激に拡大。東日本大震災以降は「省エネ、節電」に対する国民の意識が向上したこともあり、徳島県内LED関連企業の新たな販路開拓を目指すと同時に、品質が高く、「安全・安心」の徳島産のLEDをPRするために、県では常設展示場を設けることで県内企業を支援していくことを決めた。
展示場を設けるリビングセンターOZONEは一般の来場者に加え、建築士や照明デザイナーなどプロの来場が多い“インテリアの聖地”的な場所。「照明器具、サインディスプレイだけではなく、素子・関連部品など完成された製品ではない状態のLEDを見てもらうことで、インテリア住関連への新たな形での活用を期待している」(徳島県)。
11月22日のオープン初日には、LED関連セミナーとオープニングセレモニーを開催。青色発光LEDの製品化で世界的に知られる日亜化学工業の商品開発本部・大黒弘樹氏を講師に迎え、LED有効活用の方向性を探る。また、セレモニーには徳島県・飯泉嘉門 知事も参加予定だ。
常設展示場は、まずは2012年3月31日(土)までを予定している。