米グーグルのアジア太平洋地域メディア&プラットフォーム部門担当副社長のシャイリッシュ・ラオ氏は8日、グーグル日本法人が都内で開いた広告主向けのイベントで「オンライン広告のこれから」をテーマに講演した。同社サービスの活用事例を紹介し、「企業は広告を自らコントロールしたいと考えがちだが、広告の主導権は消費者に渡すほうが賢明だ。それによってよりブランドとユーザーの距離を近づけることができる」と強調した。
ラオ氏は今後注力していく領域として、ソーシャル(Google+)、ビデオ(ユーチューブ)、モバイル(アンドロイド)を挙げた。Google+(グーグル・プラス)であれば、企業や個人が無料で開設できる「Google+ページ」について、ユーザーの関心の高さが「+1(プラスワン)」の数で裏付けられるとして具体例を示したほか、ユーチューブ上で動画広告を視聴するかスキップするかをユーザーが選べる広告メニュー「トゥルービュー」を紹介した。
広告を強制的に表示させることでリーチを稼ぐ商品が多い中で、トゥルービューは視聴者に選択権を与え、一定時間の視聴されたもののみ広告料金を課金するようにしたのが特徴。ラオ氏は「視聴者は減るが、よりブランドに対する関心の高い人が誰かがわかる」と述べ、「デジタルマーケティングはさらに価値あるものになる」との考えを示した。