再びインドネタです。
インドに滞在1カ月が経ちました。風邪でダウンもしましたが、ほぼ毎日出逢いがある充実した日々です。
さて、色々とご縁があり、インドでインターネット広告に特化した広告代理店を経営するインド人女性や、インドのTBWAやマッキャンエリクソンで働くインド人たちと仲良くなりました。
彼らと話をしていて色々と教わったのですが、驚いたのはIT大国と呼ばれるインドのネットインフラの脆弱さです。
インド人曰く、インターネットを繋ぐ多くの家庭が回線速度256Kbpsだと。ちょっと裕福な家庭で2Mbpsだと言っていました。最近だとUSBモデム接続のほうが人気でてきており、新しいものだと7Mbpsまでスピードが出るとのことです。
ただ、インド人の所得から考えると誰もが簡単にUSBモデムを手に取れるものではないと思われます。
僕もインド人たちに聞いた話なので回線数値については本当か定かではないですが、とにかくインターネット環境が日本と比べると弱い。もちろん、日本ほどインターネット環境が良い国は韓国ぐらいしか無いと言われていますので比較しても仕方ないのかもしれませんが、それにしても弱い…。
さらに興味深いのは携帯電話の通信回線。
インドでは8億人以上の人が携帯電話を所持しています。
……が、2G回線接続をしている人が4000万人しかいないと言われています。
また、3G回線契約している人が1000万人と言われています。
(ちなみに僕はインドでボーダフォンを利用中ですが、2G回線で1GBデータ契約、たったの月額150円でした。ツイッターやフェイスブック、メールは2Gで事足ります。3Gにすると値段が跳ね上がります)
インド人が手にする携帯電話の大部分はスマートフォンでも無いですし、日本の携帯電話のようにブラウジングできる端末でもありません。通話とショートメッセージができればOKなのです。
その中でもスマートフォンを使い始める人も増えているのですが、驚くことに『スマホを持つことがファッション』になりつつあるとインド人が言いました。ファッションで持ち始める人の多くはスマホの機能を活かし切れていないと。これは面白いなと。
インドでは現在、街角で約7500円からAndroidのスマートフォンを所持できるというキャンペーン広告をよく見掛けます。手にする人も実際に増えているのだと思います。
さてさて、話は戻りますが、結局のところ、インドのインターネットインフラは日本のそれに比べるとまだまだなのです。そのため、デジタル領域で働いている人たちは不満が多いそうです。リッチコンテンツをつくることが許されないからです。日本企業のキャンペーンサイトをインドから見ようとすると、読み込みに凄まじく時間がかかります。FLASHベースのWebサイトなど今のインドでは御法度です。いかに良いデザインで、どれだけ読み込みが速いモノをつくれるのか、それが大事とのことでした。
IT大国と呼ばれるインド。
技術や人材があってもインフラがなければ成り立ちません。
ですが、ここ数年できっと彼らの状況も変化し、多くの素晴らしいWebコンテンツをリリースしてくるのではないかと思えます。
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