2013年度の新卒採用は、企業が採用のコミュニケーションツールとしてソーシャルメディアを活用する就職活動=「ソー活」元年と言われる。
23日、新たに「ソー活」全面切り替えを発表したのが、ヘアケアライン「シュワルツコフ」などで知られるドイツの化学・消費財メーカー、ヘンケル社の日本法人ヘンケルジャパン。同社は、2013年の新卒採用を全面Facebookに切り替えることを発表した。既に大手企業を中心に採用活動にFacebookを導入する企業は増加傾向にあるが、Facebook以外の採用コンテンツを一切作らず、全面的に切り替えるのは珍しいケースだ。
本社拠点をドイツに構えるヘンケル社は、ドイツでは学生の間でも「働きたい会社」として人気の企業。グローバルではインターン採用から正社員採用に繋がるケースが一般的だが、日本に限っては「就活文化」に対応し、毎年大手就職サイトに新卒ページを設け採用活動を行なってきた。しかし、日本における学生の間で同社の認知度が芳しくないことから、具体的な事業イメージを持った応募者が少なく、「これまでの一方的な採用情報の発信に偏らず、応募者が事業全体の情報を直接インプットでき、業界におけるヘンケルジャパンの認知度を包括的に理解できる」(同社広報)ソーシャルメディアに移行することを決めたという。
ヘンケルジャパンでは、昨年の震災をきっかけに積極的にソーシャルメディアを活用し始め、昨年末にFacebook上にコーポレートページを立ち上げた。以来、ファン数も順調に推移しており、消費者との活発なコミュニケーションを行なってきたことから、今回の採用手段切り替えにも期待を寄せる。採用活動においては、人事担当だけでなく同社若手先輩社員らも加わり、Facebook上に非公開グループを特設。このグループを応募者とのコミュニケーションに活用し、双方向でのやり取りを行なっていく。
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