山川力也(たき工房 コピーライター)
コピーライターになったのは、
大好きなPerfumeの結成と同じ2001年。
たき工房には運よく新卒採用で
入社することができたのですが、
当時の就活も今と同じように、
かなり大変だったことを覚えています。
それからあっという間に10年あまり。
会社では後輩のお世話をするような
ポジションになってしまいました。
そんな僕がこの歳になってなぜ、
コピーライターの養成講座に通おうと思ったのか。
後輩はちょっと驚いたと思います。
僕が講座に通うようなタイプではなかったから。
しかも、普段エラそうにしている上司が、
養成講座に通ってるっていうのもなんか嫌ですよね。
けれども、コピーライターを10年やってみて、
ぜんぜんやれていない自分に気づいていたし、
なにか新しいことを始めなければいけないなと
考えていたのです。
実際、講座に通ってみて。
10年コピーライターを続けても花咲かず
ここまできてしまった僕ですから、
当然恥ずかしい思いもするだろうし、
ダメ出しもされるだろうと覚悟の上で臨んだのですが、
やはりのっけからプレッシャーの連続。
油断しようものなら
いつどこから殺られるかもしれない、
そんな緊張感たっぷりの日々を過ごしました。
なにより、レベルが高かった。
わざわざお金を払って
恥ずかしめを受けに行くようなものですから、
もとを取ってやろうという意味でも必死でした。
谷山雅計さん、井村光明さん、
吉岡虎太郎さん、照井晶博さん。
講師はコピーライターとして尊敬している方ばかり。
4人から指導を受けられるというのも
他のクラスにない、いいところだと感じました。
しかも、みなさん本当に親身に面倒をみてくれるんです。
前回お話した公募で賞をいただいたときも、
一番にDMをくれたのは照井さんでした。
制作会社でホケホケと働いていたら、
そんな恵まれた環境は絶対にありません。
また、講座では仲間にも恵まれました。
大手の広告会社でコピーライターをしている人や
僕のように制作会社で働いている人、
コピーライターをめざしている人、
それから、日本一コピーがうまい経理の人も。
授業に臨む姿勢は本当にみんな真剣で、
まさに「切磋琢磨」という言葉がふさわしい、
本気と本気のぶつかり合いでした。
講座でコピー、その打ち上げでもコピー、
講座のない日もコピー。
とにかくコピーの話ばかりしました。
そんなコピーバカヤロウたちと出会えたことは、
なによりの収穫。
今も連絡を取ったり仕事をしたりしていますが、
これからもずっとお付き合いしていきたい
大切な仲間です。
最後に。
コピーライターを名乗る人は全国に星の数ほどいて、
講師陣のような一流の方から
制作会社で泥のように働いている人まで
さまざまだと思いますが、
もしあなたが次のステージに進みたいと考えているなら、
講座に通うという第一歩も悪くないよと伝えたい。
(宣伝会議のまわし者じゃないですよ)
秋元康さんはGoogle+で
「どんなドミノも一番目は自分で倒せ」と書かれていました。
人は歳をとるごとにその勇気をなくしていくものですが、
いくつになったっていいじゃん、
やれるところまでやってみたらいいじゃん、って思います。
Perfumeは10年で東京ドームのステージに立ちましたが、
僕はまだ汐留~築地界隈をさまよっています。
さて、次回はそろそろタイトルにもある
若手(?)広告人の日常についてお話したいと思います。
けっこう泥のように働いてます。
山川力也(やまかわ・りきや)
コピーライター。1977年生まれ、静岡県伊豆の国市出身。2001年関西大学社会学部卒業、たき工房に入社。現在、第1デザイン事業部kaza☆ana所属。第48回宣伝会議賞協賛企業賞、2011年度新聞広告クリエーティブコンテスト最優秀賞受賞。朝日広告賞、消費者のためになった広告コンクール、全日本DM大賞など入選。
コピーライター養成講座卒業生が語る ある若手広告人の日常 バックナンバー
- 第4回 「コピー」じゃなくて、「いいコピー」を書くために。 by 山川力也 (2/6)
- 第3回 ブランディングはじめました by 安田健一 (1/30)
- 第2回 コピーライターはじめました by 安田健一 (1/23)
- 第1回 土俵に上がれない時代は、土俵づくりから by 安田健一 (1/16)
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