アドタイの広告界のニュースで以前、デジタル・サイネージアワード2011にて「デジタル・サイネージを活用した次世代自販機」がシルバー賞を受賞した記事を読みました。JRの駅のホームや改札付近でも、実物を見て何度か利用してみました。
47インチのパネルをスマホと同じ様に「ピタッ」とタッチして、電子マネーでも決済が出来ます。売上げは通常の約2倍など、既に効果を示しているとのこと。バレンタイン時期には、パネルにハートのアイコンやお薦め商品のメッセージが表示されていました。この自動販売機は、お客さんの性別や年代や、時間帯や気温に合わせて飲料をレコメンド出来る機能を持つ事から、今後もデジタル・サイネ―ジの活用として様々なアイデアや可能性を持っています。
そこで、今回のテーマ「自動販売機」。
日本国内の清涼飲料用の自動販売機の数は約218万台(2010年自販機普及台数)で約55人に1人と言う割合、米国では約400万台で同様に計算した場合約70人に1人が使っている割合です。日本の清涼飲料用の自動販売機は、普及台数・年間自販金額ともに前年を超えています。また、日本の自販機の方が1台あたりで扱う飲料の種類が圧倒的に多いことも特徴です。
「米国の自動販売機で売られているものは?」
米国の流通小売業や他の施設では、幾分変わったものが置かれています。写真は、iPodなどのスマートフォンやメモリーカードをはじめとした関連機器を販売している自動販売機。飲料水やコーヒーを買うのと同じ様に、購入する商品の画面に触れるだけ。iPod やiPad shuffleなどもクレジットカードによる支払いでこの自販機で買うことが出来ます。写真を良く見るとゲーム機のコントローラーや接続コードなども扱われています。
そう言えば、渋谷の携帯ショップで「スマホのケースカバー」の自動販売機を見たことがあります。
以前は、米国の空港などで見られたこの様な自動販売機が、今では百貨店やスーパーマーケットのエントランスや男性衣料品の売場(カルバンクラインのパンツやソックス売場の横)で、こんな風に置かれています。
そしてもうひとつの写真は、女性のスキンケアのローションやジェル、ウォッシュの自動販売機です。これはハリウッドの商業施設のエントランスに設置されていました。セット商品によるディスカウントの表示が目に付きます。こうした女性向けスキンケア商品やコスメティックの自動販売機は、日本のショッピングセンターやホームセンターなどでも既に目にすることが出来ます。
また、以前アメリカ・フロリダ州マイアミビーチの高級ホテルで10ドル(約770円 1ドル約77円として)から100万ドル(約7700万円)の商品を購入することが出来る自動販売機が話題になりました。この半自動販売機では、ヨット旅行やペントハウスの高級マンション、イギリスの高級車ベントレーなども購入ができます。クレジットカード払いで、歯ブラシやサングラスは自動販売機の扉を開けて商品を受け取り、BMWのオートバイなどは、商品の交換券の袋が入っています。これらは話題づくりのためなのか、それとも本当に買う人がいるのでしょうか?歯ブラシの横でBMWやベントレーが売られているわけですから…
「ところ変わって自動販売機で売られているもの。」
他の国に目を向けると「中国では生きた蟹(日本ではカブトムシやクワガタがありました)自販機内の温度を調節して、ちゃんと生きてます」「アラブでは金、ゴールドです。値段はいったい幾らからでしょうか?」「イタリアでは焼き上げたピザ。これも焼けてます、ちゃんと」「イギリスでは本」(この中では一番普通な感じがします)など、その国の特徴が見られます。
今後、日本においても人口構造の変化や、消費者ニーズや都市生活環境のあり方からも様々な自動販売機の開発がされて登場すると思います。おばあちゃんやおじいちゃんも増えるし、ネットも便利だけど家の近くにある自動販売機なら尚便利だし。「えっこんなの売ってる!」なんて驚きはワクワクもするし。「少子・高齢」「安・近・短」「非日常空間」キーワードは幾つかあります。そこで皆さんなら、どんな商品やサービスの自動販売機の開発や展開を考えますか?是非、聞かせてください。
次回は、このコラムの“核”となるテーマで「日米における流通小売業の販促(プロモーション)テーマの捉え方」
そして、その次は「スマホのアプリの活用で、売場はショールーム化?」