『激熱』を武器にタイのラーメン市場に乗り込んだ日本人

激熱(げきあつ)ラーメン

東南アジアの国際都市バンコク。タイ王国の首都です。
バンコクに住んでいる友人に連れられて、「ここのラーメンを食べにくるべきだ!」という強い推薦を頂いたので食べに行く。
そのラーメン屋の名前は『激熱(げきあつ)ラーメン』。店主は日本人です。

タイの人達には元々、麺を食べる食文化はあるものの、実はアツアツで食べるという習慣はないとのこと。
どうやら猫舌の人が多いそうです。
そのため、タイ人向けに展開している多くの日系ラーメン屋は若干ぬるくなるように調整されているそうです。
タイで多数店舗を展開している『八番ラーメン』でも僕はラーメンを食べましたが、やはり若干ぬるさを感じました。
といっても、僕の場合はそこまで問題とは思わないレベルでしたが、熱さにこだわる人には敬遠されるのかもしれません。

激熱(げきあつ)ラーメン2 激熱(げきあつ)ラーメン3

上に挙げた『激熱ラーメン』はそのぬるさを解消するために、石焼きビビンバで使うような器を採用し、本気で熱していました!ラーメンが運ばれてきて、仕上げにスープをかけてくれるのですがジュージュー!グツグツ!と完全に沸騰状態でした(笑)。実際、アツアツで美味しく頂けました!やっぱりラーメンは熱くなくてはと再認識させられました。

…さて、そろそろ読者の皆さんは「こいつ、ただのラーメンコラムになっているじゃないか!」とツッコミたいところだと思います。もちろんこの話はここでは終わりません。というかコラム趣旨的に終われません。

実はですね、
バンコクには激熱ラーメンほどではなくても、普通にアツアツのラーメンを提供してくれるラーメン屋は他にも多くあるのです。東京から出店している有名ラーメン店のラーメンは違和感なく頂けました。
ですが、それらのラーメン屋は価格帯が異なります。だいたいラーメン1杯500円前後します。
これは一般的なタイ人に手が届く価格帯設定ではなく、現地に10万人いると言われる在住日本人や、それなりの所得を持つタイ人にしか手が届きません。

激熱(げきあつ)ラーメン4

では、この激熱ラーメンは一体何が異なるのか? それは安くて熱いことです。
“一般的なタイ人”をメインターゲットとし、“アツアツ”のラーメンを提供しているお店はそうありません。
そこに対してこの文字通り激熱ラーメンを投入したのが『激熱ラーメン』店長の赤石さんです。

ちなみに現在特別価格で提供している『激熱ラーメン』のとんこつ醤油ラーメンは59バーツですので、日本円にして160円ほど。同じく一般的タイ人をメインターゲットに展開している『八番ラーメン』も価格帯は100バーツ以下で安い価格帯なのですが、残念ながら激熱ラーメンほどのアツアツではありませんでした。
「安くて熱いラーメン」。日本では当たり前の響きのように感じられますが、タイではニッチ市場となるのです。
「安い」と言っても“一般的なタイ人”をメインターゲットにしている場合、顧客視点で考えると「安くはない」のですが。

激熱(げきあつ)ラーメン5

なお、店長はもともとラーメン屋をやっていたわけではなく、全く違う仕事をしていたそうですが、バンコクにきてラーメンを食べるたびに、安くて熱いラーメンが無いことに疑問を抱き、自らラーメン屋を始めてしまったというバイタリティの持ち主。多くのタイ人にアツアツの日本本来のラーメンを味わって欲しいという熱い想いを持たれていました。

今はMBKという若者・学生の多いショッピングセンターの中に1店舗構えているようですが、僕が訪れた時は多くの学生さんが利用していて大盛況に見えました。これから複数店舗を展開していきたいと店長は語ってくれました。

こんな感じで、今回はバンコクで奮闘する日本人のラーメン店主に学んだのでした。

太田英基「若手起業家、世界一周へ」バックナンバー

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太田 英基(世界一周バックパッカー)
太田 英基(世界一周バックパッカー)

スクールウィズ代表取締役
元サムライバックパッカープロジェクト発起人

大学在学中の2005年11月、広告サービス「タダコピ」を仲間と共に創業。取締役を経て、2010年1月に退社。2010年5月から3ヶ月間のフィリピン留学を経て、約2年間の世界一周の旅へ。アドタイで約80本のコラムを執筆しながら旅をした。2012年夏に帰国。
帰国後はフィリピン留学を中心とした留学サービス【スクールウィズ】で起業し、留学以外にも英語学習サービスも複数運営している。

面白いことと、世の中にとって価値あることを常に追い求める根っからの企画屋。
執筆著書、講演実績多数。宮城県出身、1985年生まれ。

スクールウィズ: http://schoolwith.me/
Twitter/X: https://twitter.com/mohideki/

太田 英基(世界一周バックパッカー)

スクールウィズ代表取締役
元サムライバックパッカープロジェクト発起人

大学在学中の2005年11月、広告サービス「タダコピ」を仲間と共に創業。取締役を経て、2010年1月に退社。2010年5月から3ヶ月間のフィリピン留学を経て、約2年間の世界一周の旅へ。アドタイで約80本のコラムを執筆しながら旅をした。2012年夏に帰国。
帰国後はフィリピン留学を中心とした留学サービス【スクールウィズ】で起業し、留学以外にも英語学習サービスも複数運営している。

面白いことと、世の中にとって価値あることを常に追い求める根っからの企画屋。
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