国際広告賞の受賞数で、広告会社やキャンペーンの独創性を評価する英ガン・レポートは、メディアの使い方に焦点を置いた「Gunn Report for Media 2011」を1日に発表し、5つ以上の地域の広告賞か世界的な広告賞を受賞した事例から6つを選び、「Campaign of the Year 2011」を贈った。
「Gunn Report for Media 2011」編者のイザベル・ムスニク氏は、「消費者は、何をすべきかを指図されることを望んでいない。彼らは参加や共有、一緒に行動を起こすことだけでなく、広告に触れるタイミングや場所、その方法もコントロールしたいと考えている。だからこそ企業が目的を果たすためにブランドと消費者の会話を起こすなら、メディアの使い方に独創性が必要」としている。
「Campaign of the Year 2011」に輝いたのは、クリスピン・ポーター&ボガスキー(CP+B)のマシュー・ライアン氏のプロジェクト「4th Amendment Wear」、アメリカン・エキスプレス「Small Business Saturday」、検索サービス「Bing」(マイクロソフト)の「Decode Jay-Z with Bing」、スポーツ飲料「ゲータレード」(米ペプシコ)の「Gatorade Replay」、英スーパー大手テスコの「Homeplus Subway Virtual Store」、世界自然保護基金(WWF)の「Save as WWF」の6点。
「4th Amendment Wear」は、安全の確保と市民の自由との対立についての議論を促すためのプロジェクト。Tシャツなどの下着に、金属を含むインクで「正当な理由のない捜索や押収に対し、身体、家屋、書類、所有物の安全を保障される権利」をうたう米・合州国憲法修正第4条(4th Amendment)をプリントし、販売した。これを着て空港などでX線検査を受けると、画面に修正第4条が表示される仕組みだ。CP+Bの同僚ティム・ゲーガン氏と取り組んだ。
「安全のためのより良い手段を探る一方で、私たちの自由も尊重されなければならない。空港だけでなく、位置情報の追跡や『愛国者法』とインターネット上のプライバシー、生活のさまざまな場面でこの問題は姿を現す。我々はどこに線を引けばいいのか?そうした議論を提示したかった」とライアン氏は「4th Amendent Wear」の公式サイトで綴っている。