「食洗機くんは無罪です!」と叫ぶのは、「行列ができる法律相談所」でお馴染みの本村健太郎弁護士。7日に都内で行われた「食洗機裁判」の公判後、来場者に向けて「無罪」の紙を広げて見せた。そして、「洗う洗う詐欺」の罪にかけられていた被告の「食洗機くん」はその判決を聞き、胸をなでおろしたのであった……。
実はこれ、P&Gの新商品「ジョイジェルタブ」発表会での一コマ。同社ではこれまでになかった全く新しいタイプの食器洗い乾燥機専用洗剤の発売にあたり、裁判を模した形で新製品発表会を開催した。本村弁護士が弁護士役で、タレントの小倉優子が原告役で登場し、起訴状の確認に始まる「食洗機裁判の審理」をメディアに公開することで、新しい洗剤の機能と効果を訴求した。
この商品開発の背景にあるのは、「食洗機の保有率が年々上昇しているにもかかわらず、300万台以上の食洗機(P&G調べ)がほとんど使用されておらず、休眠しているという事実。使わない理由の1位が、「機械のみではきれいに洗いあがらず、予洗い(手洗い)をしなくてはいけなこと」だった。
そこで同社では製品の発売にあたり、これまで食洗機を使用する際に「予洗い」が必要だった要因は、食洗機ではなく、洗剤の働きに問題があったことを伝えるべく、本キャンペーンを企画した。2月にキャンペーン特設サイトを開設し、裁判の前段階となる食洗機と本村弁護士の出会いなどを収めたムービーを公開。サンプルプレゼントを実施し、実際に使った人からサイトに「無罪」を書き込んでもらうコンテンツを用意するなど、じわじわと話題を広げてきた。そして、消費者に「自分が持っている食洗機もまだ使えるのではないか」という自信と気づきをもたらすためのアイデアとして裁判という形式を採用、キャンペーンの集大成としてこのイベントを実施したのである。
2月から展開しているキャンペーンサイトでは、ストーリーに関連したウェブムービーやユーザーの使用実感を公開中。また、CMでは国分太一が一般の家庭を訪問し、製品を実際に使ってもらう「チャレンジジョイ」を展開しており、こちらでもその使用実感が伝わるものになっている。