新上五島町観光物産協会は2月29日、観光サイト「まるごと体験!!上五島」をリニューアル。県と市町が共通のシステムやデータベースを利用することで、常に新鮮なコンテンツをサイトに表示し、タイムリーな情報発信を観光振興の武器にすることが狙いだ。長崎県観光連盟が運営する長崎県観光サイト「ながさき旅ネット」で構築したシステムやサーバーを活用し、両サイトに同時に情報が更新される。
主導したのは、長崎県観光連盟。昨年から広く県内の自治体にシステムへの参加を呼び掛けており、「今後は、観光サイトのリニューアルのタイミングを狙い、長崎市、佐世保市など中核都市への導入を進めたい」(長崎県観光連盟 情報戦略課)としている。
連盟では、観光連盟保有サーバーの一部を利用するため、各市町の固定費を削減できること、観光スポットやイベント情報が1回の更新で両サイトに反映されること、更新不可が軽減され、よりスピーディーな情報提供が可能になること、構築済のシステム・データベース・デザインの活用で短期間に高品質のリニューアルが実現できることを市町側のメリットとうたっている。
この背景には、県の産業労働部・EVプロジェクト推進室が中心となり、2010年度から4カ年計画で取り組む「長崎EV&ITS(エビッツ)プロジェクト」がある。同プロジェクトは、長崎県EV・PHVタウン構想の主要プロジェクトで、国土交通省、経済産業省や大学、各メーカーなどと連携し、世界遺産候補を有する五島地域において、EV(電気自動車)、ITS(高度道路交通システム)が連動した未来型ドライブ観光システムの構築を目指すもの。既に、五島列島では140台のEVを導入。急速充電器やITSスポットの整備も進めている。取り組みの中には、観光情報やEV充電器情報、安全・安心情報などを地域データセンターに集約し、ウェブを介して配信する構想も含まれる。県の観光連盟としては、「県下で観光サイト情報の“ワンソースマルチユース”が実現できれば、将来この構想にも役立つのでは」(同)と話している。
参考情報:長崎EV&ITSプロジェクトの詳細はこちら