海外の売場を見る楽しみに、売場の演出やユニークなサービス、そして日本では見たことのない商品を探す事があります。
米国の西海岸を訪れた時に、ギフトやホビー商品を扱うバラエティストア「Brook stone」でいくつかのおもしろいアイテムを見つけました。i Pad で操作するラジコン・カー(タンク)の様なもので、フロント部分にはカメラが付いていて、このカメラが映している画像をそのまま i Pad のモニターで見ることが出来ます。この商品を店頭でデモンストレーションする店員さんは、実に楽しそうに、そして商品の機能や特徴について紹介してくれました。
「Brook stone」は、日本の東急ハンズやロフトに近いイメージのホビーショップです。i Pad 周辺の機器をはじめデジタル・トイやステーショナリーなどを多く扱っています。日本の情報誌などでも最近見かける「室内用ラジコンヘリコプター」(ターミネイターに出てくる水平型の扇風機みたいなやつです)なども同店で扱われています。
日本では最近、キャンペーンの応募懸賞のアクセス/応募数の伸び悩みなどの課題があります。景品が実用的な家電製品やお買い物券などはある意味手堅く、支持が得られると思いますが、景品を見た時や手元に届いた時の「ワクワク感やインプレッション」は大切であり、このお店で見た商品はそんな期待を持たせます。下記では、前述のラジコン・カーの動画を見ることが出来ます。
アナハイムのスーパーで見つけたもの。
カリフォルニア州のオレンジ郡にある都市アナハイム。日本人にとってこの都市は、ディズニーランドの本拠地として知られる他に、松井秀喜選手がかって在籍していたメジャーリーグのエンゼルスのホーム・スタジアムがあることでも有名です。
スーパー・マーケットで目を引いた商品に、これらのシンボリックな施設が関係しています。スーパー・マーケットの店内のエントランス付近に、写真の様なエンゼルスのチームマーク(Aの文字に天使の輪が付いたデザイン)の描かれた厚手の紙が沢山、陳列什器に置かれていました。
「カレンダーかパンフレットか、チームのロゴマークのついたTシャツでも売っているのかな」と思って手に取ると、そこには「Great Gift !」とあります。「2人分の観戦チケットに、ホットドッグにソーダが付いて34ドル(日本円で約3,000円くらいでしょうか)」日本のプロ野球のチケット1人分の料金でこんなに楽しめる!大袈裟な様ですが、ここに「野球とベースボールの楽しみ方の違い」を感じました。
その横には「ディズニーランド4Dayチケット」と書かれた同様の厚手の紙、ディズニーのイラストで表現され売場に並んでいました。4日間分のチケットを最大に、3日・2日分チケットなどがありました。商品の価値と共に、店頭に並んだ際のVMDとしての高い演出効果も感じられます。
さて、スーパー・マーケットのエンドに並ぶ商品は?
売場のエンドに並ぶ商品は、価格訴求商品やそのチェーンやお店が工夫した商品があります。ここではメーカーとの共同により工夫した商品を見てみます。写真の赤いパッケージの商品は、コカ・コーラとバカルディのセット販売です。
日本でもクロス・マーチャンダイジングとして関連陳列やクロス・クーポン(一緒に買うとレジにて割引)は見られますが、この様なセット商品はあまり見ることがありません。在庫管理や商品を取り扱う売場のカテゴリーなどの課題からです。コカ・コーラとバカルディのボトルのサイズをハカってみてください。このコカ・コーラのボトルは、800mlくらいは有りそうです。
あたなは何と戦う(vs)のか?
最後に、下の写真を見てください。そして、この写真に写ったPOPが何を訴求しているかを、みなさん暫くの間考えてみてください。
これは、米国のあるチェーン店の売場で買物をしていた際に、店内のあちらこちらで見かけたPOPです。POPの役割は「売場に置かれた商品の特徴や販売価格を紹介したり」「売場やコーナーを作って商品を山積する際に、そのテーマがお客さんに分かりやすい様にする」ことです。
でも、このPOPの取り付けられた棚や、販売台やケースには、特にこれと示す商品を見つけることが出来ませんでした。このチェーン店の業態がヒントになりますが、この店舗の名前はCVSケアマーク(コンビニエンスストアの略ではなく)で全米に7,000店舗以上あるドラッグ・チェーンです。
まずは、You vs Flu のFluの意味を考える必要があります。
Flu いっぱい? それFull とは違います。
Frustration フラストレーション? これもスペルが違います。
Flu ……?
答えは、次のページです。