クリオ賞2012――キラリと光るエディトリアルデザイン

晴れの日にしか読めない「年次報告書」

CLIO2012_G_solar_1_0

世界3大広告賞のひとつ「クリオ賞」2012年度の贈賞式が15日に開催されるのに先立ち、発表された受賞作の中から、優れたエディトリアルデザインを紹介する。

ひとつめはデザイン部門金賞受賞を獲得した、太陽光に反応して、誌面内容が現れるオーストリア・ソーラー社の年次報告書。光が当たらないと全く読むことができず、曇り空になるとうっすら文字やインフォグラフィックが浮き出てくる。太陽光発電事業を手がける同社にぴったりのIR資料をデザインしたのは、ミュンヘンを拠点とする広告会社サービス・プラン。特殊印刷を活用し、太陽光エネルギーの重要さやその価値を、シンプルに楽しく表現した。

ノキアがブランド再興を賭ける「書体」

同部門で同様に金賞を受賞したのはノキアの書体「Nokia Pure」のデザインをまとめた書籍「Twenty-six characters, an alphabetical journey around Nokia’s new typeface」。「Nokia Pure」はスマートフォン「Nokia Lumia 900」で話題を呼ぶ同社が、ブランドの再生をかけた「書体」だ。

CLIO2012_G_Nokia_Pure_02 CLIO2012_G_Nokia_Pure_03

CLIO2012_G_Nokia_Pure_04 CLIO2012_G_Nokia_Pure_05 CLIO2012_G_Nokia_Pure_06

CLIO2012_G_Nokia_Pure_07 CLIO2012_G_Nokia_Pure_08 CLIO2012_G_Nokia_Pure_09

BMWのビジュアル・アイデンティティやマクドナルドのパッケージ書体を手がけるダルトン・マーグのクリエイティブディレクター ブルーノ・マーグ氏がデザインした。同書体は、モバイル機器はもちろん、デジタルメディアやWebなどでブランド・アイデンティティの一環として用いられる。全世界に通用するようにと、ラテン語書体だけでなく、ギリシャ文字、キリル文字、アラビア文字、ヒンディー語やネパール語を表記するデーヴァナーガリー文字、タイ文字を制作。

2012年4月には、ロンドン・デザインミュージアムが主催する「Design of the Year 2012」グラフィック部門を、書体として初めて受賞した。

【関連講座】
編集・ライター養成講座「講座を活用して編集・ライターになる」説明会開催中

編集会議2012年夏号
『編集会議2012年夏号』
芥川賞作家から、投資家、アイドルまで いまどきの編集者、ライターの働き方
デジタルネットワークの普及がもたらした情報流通量の増加という点で見ると、編集者やライターを必要としている新たな仕事が多く存在している。取り巻く環境が大きく変化する中、いまどきの編集者、ライターの働き方にはどのような変化が起きているのか。

Amazon.co.jpで買う
宣伝会議ONLINEで買う


次のページ
1 2 3
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ