顧客目線で考えて生み出された新しいコンセプト「+1 cafe」(プラスワンカフェ)
リクナビNEXTの新コンセプトですが、下記の図をご覧ください。リクナビNEXTのビジョンは、『「この仕事に会えてよかった」を、一人ひとりに。』なのですが、新しい世界観の構築に積極的なフェイスブック担当チームとの議論の末、リクナビNEXTのビジョンを実現するためには、従来型の路線でファンページを運営していくのではなく、「ビジョン実現のための社交場」として、「Fun and Grow」というコアバリューを提供していこうとの結論に至りました。チームとしては、「楽しみながら成長できる場所を提供したい」。ファンの方には、「より成長していただいて、仕事そのものをもっと楽しんでもらえるようになってほしい」。そう思う気持ちから、自然に事業ビジョンとも密接な新コンセプトが設定されていったのです。
そして、新しいコンセプトを顧客に理解してもらうため、名称とデザインを一新することになりました。名称を変更し、デザインも一新、加えて専用ロゴも作成したわけですが、従来の路線とは異なるコンセプトで運営し、視覚的に変更を明確化したことで、スピーディーに新しい世界観が伝わる環境が一気に整いました。
活性化のために必要なことは新コンセプトと新コンテンツ、そして運用体制の強化を再認識へ。
コンセプトを実現していくためには、コンテンツや日々の運用が非常に重要です。以下の資料は、ファンページの魅力向上させるためには、何が必要かを検討した際の資料です。自社の強みを生かし、想定する顧客に対して何を提供できるか、コンセプト、コンテンツ、運用の3大ポイントを中心に記載されています。手本になる内容だと思いますので、参考にしてください。
まとめ~新しい体験を通じて、組織も人も育つ。企業の進化は、柔軟な変化への適応能力によってもたらされる。
今回は、ソーシャルメディアに取り組む目的や効果的なプロセスについて触れ、リクルートリクナビNEXTのご協力もあり、成功事例についても具体的な紹介ができました。ソーシャルメディアを成功させるためには、その目的をはっきりさせることが一番大事です。加えて、ソーシャルコンセプトやコンテンツ、そして運用を如何にするかの3点をよく検討してから進めてください。
ソーシャルメディアは黎明期であるため、苦労は多々あると思いますが、メディアが大きく育てば、リターンも大きくなりますし、何より、こうした新しい仕事を通じて、チームもメンバーも育つことも大切なことなのではないでしょうか。管理職も経営者も、ソーシャルメディアを敬遠せず、新しいテクノロジーを如何にビジネスに活用していくか、変化へ適応していく必要に迫られています。デジタル時代の企業進化は、柔軟な変化への適応能力によってもたらされると私は考えています。
青葉哲郎 「マーケティングからイノベーションを起こすために」バックナンバー
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- 第11回 米国スーパーマーケットの新潮流~全店に「栄養士」がいる健康支援サービスや、食品をスコアで評価する「NuVal System(ヌーバルシステム)」が話題(9/14)
- 第10回 夏休みスペシャル:この夏50万人以上がサークルに参加したGoogleのバーチャルサマーキャンプ「Maker Camp」の取り組みが素晴らしいので、まとめてみた。(8/31)
- 第9回 ロンドンオリンピックで繰り広げられた広告の戦い(8/10)
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- 第7回 旅行業界のマーケティングトレンド。顧客を巻き込んだ広告活動。~エールフランス、ソフィテル、日本郵船の事例から学ぶ~ (7/13)
- 第6回 米国スターバックスの新しい取り組み「Create Jobs for USA」~雇用を増やす取り組みから日本人が学ぶべきこと(6/29)
- 第5回 急拡大する「ソーシャルビデオ」米国市場~米国ユニリーバ事例~(6/15)
- 第4回 経営目線でソーシャルメディア・マーケティングを考える~路線変更を決断したリクルートのリクナビNEXT「+1cafe」の成功事例(5/25)(こちらの記事です。)
- 第3回経営目線でリスティング広告を考える~広告効果の優劣を決めるのは何か?(5/18)
- 第2回 ROI思考を身につけ、競争力を高める3つの要素(4/27)
- 第1回 マーケティング部門の現状(4/13)
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