インターネット上でモノを売る際、ランディングページを作り、ユーザーの興味を引きつける必要がある。九州で一貫してダイレクトマーケティング型ネット広告に従事する、売れるネット広告社の加藤公一レオ氏が良いと考えるランディングページを紹介してもらい、その良さを客観的に解説してもらう。
第8回は、ソーシャルメディアなどで効果的に口コミを促すランディングページを紹介する。
ここでは、『販促会議』2012年6月号に掲載している第8回の全文を掲載します。
クラウディア「Tocco」
文:売れるネット広告社 代表取締役社長 加藤公一レオ氏
今までこの連載であらゆる“売れる”戦術を取り上げてきたが、今回紹介する内容が私が一番オススメする最高テクニックだ。むしろ今回の内容をみなさんが実施しないと、この連載の意味がないとも言い切れるぐらいである。
さて、その戦術とは、ズバリ!「ランディングページの“確認ページ”を有効活用して、劇的にアップセル率を上げる」というものだ。ちなみに私のクライアントすべてがこの方法を用いて“大成功”している。オフライン(テレビ・新聞・チラシ等)では、お客さまがコールセンターに電話すると“人間”が状況に応じ臨機応変に対応する。
例えば「無料お試しセット」をお客さまが申し込もうした場合『せっかくなら本商品を買いませんか?』とその場で本商品に引き上げたり、本商品を「その都度購入」で申し込もうとしたら『定期コースにしませんか?』とその場で定期コースに引き上げたり。ほかにも「商品A」を申し込もうとしたお客さまには、『商品Bも一緒にいかがですか?』とその場でクロスセルをしたりできる。
マクドナルドで「ハンバーガーと一緒にポテトもいかがですか?」と言われると、ついポテトも頼んでしまうように、人間は既にお金を払う気になっていると、つい新しいオファーにも気軽に応じてしまうものである。実際に儲かっている通販企業のコールセンターではその人間心理をうまく利用し、膨大な売り上げと利益を上げているのだ。
逆にオフラインに比べてネットは、アップセル率が低いというイメージがある。ネットではショッピングカートという“システム”でお客さまがある種機械的に申し込むため、コールセンターのように臨機応変に対応することができないから、と言われているが、それは間違っている。ネットのアップセル率が悪いのは戦術が誤っているからなのだ。
多くのネット通販が誤っている点は、ランディングページの中でアップセルを狙おうとしていることにある。例えば、ネット広告で「無料お試しセット」を掲載しているのに、あわよくば「本商品」も買ってもらおうと、ランディングページの「無料お試しセットを申し込む」のアイコンの下に、「本商品を申し込む」のアイコンを置いてみたりする。さらにその下に「本商品を定期で申し込む」のアイコンや「商品Bも一緒に申し込む」のアイコンを設置して失敗している。
ネット広告をクリックしてランディングページに訪れ、申し込みの判断をこれからしようとしているお客さまにいきなりそんな選択肢を与えたら、コンバージョン率は低下する。以前も話した通り、ネット広告から誘導するランディングページに来る新規顧客はその商品しか申し込まない。例えば“商品Aのお試しセット”でネット広告を打った場合、ズバリ99%はその“商品Aのお試し”しか申し込まない。そんなお客さまにいきなり選択肢を渡しても意味がない。
戸惑うだけであり、結果的に何も申し込まず、コンバージョン率が下がる。仮に申し込みをしてくれたとしても、ほとんどの人はハードルの低い方を選び、結局、99%以上が“無料お試しセット”しか申し込まない。このタイミングでアップセルをするには、まだ早いのだ。
それでは、どこでアップセルを狙えば良いか。一番効果的なタイミングは、面倒くさい申し込みフォームを記入した後、つまりは「申込確認ページ」である!
以前話した通り、そもそも日本の平均的なショッピングカートは、ランディングページから申し込み完了までに平均して“八つ”ページ遷移があるため、進むたびにバケツの穴から水が漏れるように、どんどん離脱してしまい、誰も申し込み完了ページまでたどり着かない。ただし、さすがに面倒なフォームを記入して“確認ページ”まで辿り着いたお客さまの99%は、あとワンクリックで終わるので“完了ページ”に遷移する。そこから離脱することは、ぼほない。
ズバリ、ここのタイミングが一番のビジネスチャンスであり、劇的にアップセルが期待できるのだ! しかし、世の中の99%のネット通販の“確認ページ”は単純に「商品はこれでいいですね。住所・電話番号・メールアドレスはこれでいいですね」と入力内容の確認をしているだけなのだ。もったいない!非常にもったいない! では、具体的にどうすべきか見ていこう!!
(次ページヘ続く)