リアルタイム翻訳機が開発されれば語学力は要らないのか

つい最近、中華圏で長年仕事をされている方とお逢いした時に話題になりました。
その方、中国語は流暢に話せるのですが、英語についてはまだ十分に話せる自信がないということで、今後英語学習の必要性を知人と話していたそうです。

すると、知人からは思わぬ回答がきたそうです。
「10年以内にリアルタイム自動翻訳機が出てくるから、もう語学学習は必要ないよ」

なるほど。そうきたか! と。
実際、僕も旅にでる前に英語の必要性について力説していたら、先輩ベンチャー経営者から、
「太田くん、餅は餅屋だよ。語学は通訳に任せればそれでいいじゃないか。君が学ぶ必要はないよ」
と言われたことを思い出します。

ここで考えて欲しいポイントは2点あります。

1つ目は、通訳(翻訳機)に任せっぱなしで、それでいいのか? というところ。
基本的に自分が話して、通訳が受け取って相手に伝える。そして相手が言ったことは通訳を通して自分に伝わってくるわけですが、時間当たりのコミュニケーションの量でいうと単純計算で50%カットになってしまうわけです。

スペイン語を学んだ時のノート

中米グアテマラでスペイン語を学んだ時のノート

つまり本来語学が出来れば交わせるコミュニケーションの半分の量でしかないということです。
これは大きな損失である気がしてなりません。もし、僕が50歳を超えていたら、
「今から語学学習をして身につけるまでの時間と、そこから語学を使う時間を天秤にかけると…(ブツブツ)」となりそうですが、20代なら間違い無く身につけるべき能力だと思います(もちろん、語学必要な環境や仕事を求めているのか否かにもよります)。

2つ目、通訳(翻訳機)を利用していて、本当に相手と仲良くなれるのでしょうか?
1対1の商談などであれば意思疎通に使うのは問題ないと思います。
ただ・・・一緒に呑みにいけますか? 友達になれますか?
相手が一人であるならまだしも、複数人だった場合、自分だけが通訳(翻訳機)を利用していては、コミュニケーションは成り立たないのではないでしょうか?

特にビジネスの場では、世界中の人達が英語を扱います。
そこに自分だけ通訳(翻訳機)を導入してコミュニケーション取ろうとすると・・・大変な迷惑になる予感です…。
皆が楽しく呑んでいるのに「ごめん!ちょっと今の発言を翻訳機が聞き取れなかったから、もう1回言って!」なんて発言した時には場は興ざめ・・・。世界中の人達が日本人と同じように通訳(翻訳機)を利用してくれれば対等なので良いかもしれませんが、恐らく直近についてはビジネスレベルの場では日本人以外、通訳(翻訳機)を使わずに英語コミュニケーションできる人ばかりなので望むのは難しいところです。

本当に相手と仲良くなることを考えると、やはり語学を身につけることは必要だなと世界を巡っていて痛感せずにはいられません。仕事で使うなら英語は最低限、理想はローカル言語も身につけることです(国や企業によりますが)。異文化理解も言語があって深めていけるものが多いでしょう。

僕はこの旅で海外にて仕事をしている日本人に数百名とお逢いしてきましたが、
「語学なんかどうでもいい」という人に逢ったことはありませんでした。
皆さん、その必要性・重要性を理解している人達ばかりでした。

いつしか某アニメのような世界観が実現されれば、テレパシーのような技術で意思疎通できる日が来るのかもしれませんが、それはまだまだ遠い未来なのだと思います。

あ、ちなみにリアルタイム翻訳機、僕はそれでも必要だと思っています。
日本人には韓国や中国などに比べて英語を話せる人材がかなり少ないです。
自身で話せればベストですが、それでもリアルタイム翻訳機はあったほうが日本人や日本企業の手助けになるかと思います。

あなたならどう考えますか?
リアルタイム翻訳機を待ちますか?それとも自ら語学を身に付けますか?

太田英基「若手起業家、世界一周へ」バックナンバー

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太田 英基(世界一周バックパッカー)
太田 英基(世界一周バックパッカー)

スクールウィズ代表取締役
元サムライバックパッカープロジェクト発起人

大学在学中の2005年11月、広告サービス「タダコピ」を仲間と共に創業。取締役を経て、2010年1月に退社。2010年5月から3ヶ月間のフィリピン留学を経て、約2年間の世界一周の旅へ。アドタイで約80本のコラムを執筆しながら旅をした。2012年夏に帰国。
帰国後はフィリピン留学を中心とした留学サービス【スクールウィズ】で起業し、留学以外にも英語学習サービスも複数運営している。

面白いことと、世の中にとって価値あることを常に追い求める根っからの企画屋。
執筆著書、講演実績多数。宮城県出身、1985年生まれ。

スクールウィズ: http://schoolwith.me/
Twitter/X: https://twitter.com/mohideki/

太田 英基(世界一周バックパッカー)

スクールウィズ代表取締役
元サムライバックパッカープロジェクト発起人

大学在学中の2005年11月、広告サービス「タダコピ」を仲間と共に創業。取締役を経て、2010年1月に退社。2010年5月から3ヶ月間のフィリピン留学を経て、約2年間の世界一周の旅へ。アドタイで約80本のコラムを執筆しながら旅をした。2012年夏に帰国。
帰国後はフィリピン留学を中心とした留学サービス【スクールウィズ】で起業し、留学以外にも英語学習サービスも複数運営している。

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