僕はこの旅で何度か、日本アニメの驚くべき影響力を感じたことがある。
「“ドラえもん”が好きだから、日本に行ってドラ焼きを食べたいの!」これは中国人女子大生の言葉。
「僕の弟は“NARUTO”が大好きなんだ。主人公ナルトの好物だからといって、この前初めてラーメンを食べに日本食レストランに行ったよ」これはスウェーデン人男性の言葉。
「ラルクアンシエルを好きになったのは“るろうに剣心”のアニメを観てからよ」これはインドネシア人女性の言葉。
「アニメや漫画が好きだから、日本語の勉強を始めたんだ。翻訳されているモノは少ないからね。日本語でアニメや漫画をもっと観たいんだ」これは日本語を勉強中のスイス人男性の言葉。
どれも日本アニメから派生した影響となる。
ほかにも、日本のアニメで旅館が登場してきたそうで、「こんなホテルはみたことがない!泊まってみたい!」と言って興奮していた欧米人もいました。個人的に日本風旅館はサービス的にも高級ホテルとして世界に展開できる気がしてならないのですが、何故どこもやらないのでしょう…と思って少し調べたら、加賀屋旅館が台湾に2010年に進出したようですね! 欧米人が愛用する旅行クチコミサイトのトリップアドバイザーによると、なかなかスタッフ教育が難しいところではあるようです。
日本人の気質に近いと言われる台湾の人達でも難しいようだと、欧米では「おもてなし」は実現厳しいのかもしれませんが、なんとか頑張って欲しいところですね! 是非、成功事例となって欲しい!
ちょっと話はズレましたが、以前にも近しいことを書いているのですが、
日本アニメを切り口に、海外向け商品開発に役立てることができるのではないかと思っています。
アニメというコンテンツは今のところ、世界では日本の一人勝ちです。
多くの有名アニメを世界に送り出しています。それらを武器に海外向け商品開発をすることは有効なはずです。
僕が日清食品に提案するならば、NARUTOの国別人気調査を事前に行った上で、人気地域ではNARUTOとのタイアップのカップ麺を提案したいところです。ドラ焼きも同様に。
(コンテンツ力で、食文化の違いを超えられるチャンスかも?)
また、日本への観光客インバウンド施策にも活用できると思います。
以前、マンガ・アニメの殿堂と呼ばれた国立メディア芸術総合センターは予算が下りずに頓挫したようですが、設立後の外国人観光客の潜在需要は大きいものだと思う。ぜひ、再検討して欲しいなぁと。
最後に、ちょっと前にツイッターで誰かが、「電車で新聞ではなくマンガを読む大人が沢山いてガッカリした」とツイートしていたのを憶えています。でも、マンガって日本特有の文化だと思うのです。そんな国は他にないんです。日本の個性ですし、守りたい文化だなぁって。(もちろん、ニュースもチェックするべきですが)
子供から大人まで楽しめるマンガという文化を、
国民が全力で肯定し、産業自体を支えていくことが大切なのではないかと、あらためて思いました。
そんな僕はあと2週間足らずで日本へ帰国なのですが、帰国したら真っ先にマンガ喫茶に飛び込む予定!
※写真はすべてブラジルのサンパウロにある日本のアニメ・マンガ・ゲームやグッズが集まる某ビルのフロア
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