スポーツブランドのPUMA(プーマ)は、6月28日に新発売したトレーニングシューズ「evoSPEED」シリーズのプロモーションを目的に、テレビCMとWebを軸とした新たなキャンペーンを展開している。
「evoSPEED」シリーズは、北京五輪の陸上100メートル決勝で世界新記録(当時)を樹立、金メダルを獲得したウサイン・ボルト選手の“スピード感”に発想を得た商品。今年、ボルト選手がレースで着用しているものと同じデザインで、軽量性・柔軟性を重視したトレーニングシューズだ。
ランニングシューズだけでなく、サッカー用のスパイクやゴルフシューズ、モータースポーツ向けシューズを加えた全4つのラインを展開。スポーツに取り組む幅広い人に向けた商品としている。
この商品ラインナップに合わせ、マスキャンペーンは、ボルト選手を中心にさまざまなジャンルのアスリートが集まり、“最速チーム”を結成したというコンセプトを軸に展開。サッカーのセルヒオ・アグエロ選手、ゴルフのリッキー・ファウラー選手、F1のフェルナンド・アロンソ選手、そしてボルト選手を起用し、「ありえないスピードを得ること」を意味する“BOLTる”という造語をキーワードとしたテレビCMを放映している。CMを通して、「世界のあらゆる競技に、前人未到のスピードをもたらす」という商品コンセプトを伝えたい考えだ。
またキャンペーンの一環として、エイベックス・マネジメント所属のアイドル「SUPER☆GiRLS(スーパーガールズ)」とコラボレーションしたオリジナルムービーも制作。北京五輪のレース前後にボルト選手がとっていた、天に弓矢を射るようなポーズが、スーパーガールズをはじめとするアイドルのファン=“ヲタ”がライブで披露する“ヲタ芸”のポーズと似ているという発想から、企画の実現に至った。
ムービーの舞台は、都内某所で行われた「SUPER☆GiRLS」のシークレットライブ。「evoSPEED」シリーズのシューズを履いた“ヲタ”の一団が「ボルト!ボルト!」と掛け声をかけながら“ヲタ芸”を披露していると、会場内の1000人ものファンも徐々に感化され、ついには「SUPER☆GiRLS」メンバーも“ヲタ芸”=ボルトポーズを取り始めるというストーリーとなっている。
特設キャンペーンサイトでは、新商品の詳細を紹介したり、テレビCM動画を公開するほか、ミニゲームも
用意。スロットゲームに挑戦すると、“意外な”人物がボルトポーズをとっている限定画像が見られる。
編集部でチャレンジしたところ、フィギュアスケートの高橋大輔選手と2012ミス・ユニバース・ジャパンの
原綾子さんの画像が見られた。
動画は、キャンペーン特設サイトで公開中。このスペシャルコンテンツを通して、本格的にスポーツに取り組む人だけではなく、アイドルファンを含むあらゆる人に向けて、商品の認知拡大を図りたい考えだ。
社会全体で健康志向が高まる中、スポーツ、フィットネスは生活者にとってより身近なものになりつつあります。これに伴って、今回のPUMAの例にも見られるように、スポーツメーカー各社の商品開発やプロモーションも、本格的にスポーツに取り組む層だけではなく、より広く一般に向けたものへと変化しています。
宣伝会議7月1日号の特集テーマは「『スポーツ』を取り入れた宣伝・販促・商品開発」。スポーツが広く一般に普及する中、スポーツメーカーのみならず、衣食住に関わるあらゆる企業がプロモーションやブランディングのために、いかに「スポーツ」を活用することができるのか、さまざまな角度から探っています。