アメリカの高校生に聞いてみた。「いま、ホットなソーシャルメディアはなに?」(2)

Tumblr の長所は、自分のページをカスタマイズすることができることです。好きなバックグラウンドを選び、文字の色、カーソルの形を変えることや、音楽のシャッフラーを導入することもできます。デジタルネイティブとはいえ、コーディングが好きじゃないと少し難しいかもしれません。私の場合、html はTumblr で初めていじったため、最初は手こずりました。しかし、色々と試してみているうちになんとか思ったようにカスタマイズができました。この時に便利だと思ったのが、各ユーザーのページにカスタマイズで設定されている質問ボックスです。たとえば、他の人のTumblr ページにあったカーソルがかわいいなーって思ったら、その人にhtml のコーディングを尋ねることができるのです。そして、返事がきたら、 そのコードを自分のhtml にコピペし、完成となります。

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Tumblrの色々なカスタマイズの例。

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htmlを使ってカスタマイズしている。

私は、ユーザーページのフォーマット自体は、他の人が作ったものを使っていますが、私のカスタマイズの例は、カーソルを動かすとついてくるピンク色のキラキラ星(ティンカーベルのフェーリー・スパークル)やタイトルフォント、ミックスポッドでセットした音楽シャッフラー、フォトバケットから持って来た写真、そして現在どのくらいの数の人々がページを見てくれているかを表示するカウンターなどなどです。カスタマイズをするほど面白くなって色々ためしてみたくなります。高校生女子にうけたのは、特にこのカスタマイズ機能がかわいく充実していたからではないでしょうか?

yuki_カスタマイズ

かわいいキラキラカーソルも自由にカスタマイズできる。

Tumblr では写真をアップするよりも、他の人から回ってきた様々な写真をライクし、リポストすることが多いかも知れません。ダッシュッボードというホームページに、自分がフォローしている人の写真のリポストが入ってきます。その中から自分のページに入れたい写真があればリポストボタンを押し、シェアします。「なぜTumblr を使うの」と尋ねると、約半数の人は気分があがらない時に写真をボーッと見ている、いわゆる心の休息の場と答えてくれました。私もその意見に賛成です。Tumblr にログインしてリポストする時は、よっぽどすることがなく、精神的にダウンしている時や、単に写真からインスパイヤーされたい時でした。もちろん、全員にあてはまるわけではないのですが、私の友人たちは同意してくれました。

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Tumblrのダッシュボードの例

Tumblr は、Instagram から投稿することができ、Facebook につなぐこともできるため、シェアするのがとても楽です。 Tumblr でフォロワーを増やしたい人は自分のバナー広告を作り、人気のTumblr ページに載せてもらうというTumblr なりのファン獲得方法があります。人気のTumblr ページには自動的にリコメンデーションボタンがあり、気に入っているページであれば、その人のページについてフィードバックができるようにもなっています。Facebook と比べるとインタラクション数は激減しますが、私たちティーンにとっての表現する場になっていることは間違いないようです。

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Tumblrに掲載される自己広告の例。

Pinterest はクリエイティブだけど、高校生にはちょっと難しい

最近、アメリカではPinterest というアプリが流行り始めました。ここでお話するために、私自身も使い始めたのですが、高校生の間ではあまりぱっとしないようで、私以外に使っている友達はほとんどいませんでした。

Pinterest が高校生たちの興味を引かないのは、少しTumblr と似ているが、あまり自分なりにカスタマイズができないからかもしれません。また、Pinterest 上でフォローしたりフォローされたりするのが他のソーシャルネットワークに比べて難しいような気がします。自分のページにボードがあり、そこにどんどん好きな写真をピンしていく仕組みです。アイデア自体はかわいいし、ボードを使い分けることで写真が整理されるのは良いです。興味があるジャンルに投稿されている写真を見て、好きな写真があれば自分のアルバムにrepin できます。しかし使い勝手がいまいちで、友達とインタラクションしにくいため、高校生には不人気なのかも知れません。

高校生のお昼は短い!休み時間に口コミサイトでランチの予約

意外だったのはYelp。レストラン、飲食店などを検索できる口コミサイトで、毎日ログインして活発に使うようなアプリではないため、使っているという自覚が薄く、日常生活の話題には登場することがありません。また、実際にアカウントを持っている人は多くないでしょう。そのため今回のアンケートで使用していると答えてくれた人がいたのに少し驚きました。

Yelp は学校のお昼休みにもっとも力を発揮するツールです。日本とは違い、アメリカではお弁当や給食などのシステムがしっかりとしていないため、自分で運転して通学している高校生たちは、友達と連れ立ってランチを食べに“オフキャンパス”に行きます。オフキャンパスは、文字通り学校のキャンパスを出るという意味で、免許取り立ての高校生の間では、楽しみのひとつとも言えるでしょう。しかし40分間に行ける範囲は限られ、だんだんとレパートリーが減るのが悩みの種。その時に登場するのがYelp というわけです。

昼休みの前にYelp で食べ物屋を検索し、美味しそうで、レーティングがそこそこよければ前もって電話注文しておきます。少し遠くても、ご飯をピックしに行くだけなら間に合うはず。40分間のうちに食べ終わらなかったら、そのまま6時間目に持って行って食べることになるのですが、私たちの高校ではたいがいの先生が授業中食べてもおかまいなしです。ということでYelp は自分でご飯を買いに行き始めて、初めて使い勝手の良さがわかるお助けツールなのです。

また、Yelp で検索できるのはレストランだけではありません。たとえば、ネイルサロンを探している時やペットショップを探す時、そして映画館を探す時などにも便利です。Yelp のおかげで、だいたいどのようなお店がトレンドなのかもわかってきました。

このように高校生に聞いてみると、意外かも知れませんが、あまり多くのソーシャルネットワークを使っていないことがわかります。それはあくまでも多くの友達と交流したいためで、誰も友達の少ない無人島で独り言をつぶやいていたくはないのです。そのため一時期ブームだった My Space は、Facebook 登場後、誰も使用しないという結果になってしまいました。

しかし、限定されたソーシャルネットワークが盛んに使用されればされるほど、問題も増えてきます。その一つがサイバーブリー(ネットいじめ)です。この単語、お聞きになられたことがあるかもしれません。アメリカでは今やサイバーブリーが自殺にもつながる深刻な問題ともなっていて、学校もイベントなどを通じ、サイバーブリーをもっとティーンに知ってもらい、減らす取り組みをしています。次回は少しそのお話もしたいと思っています。

次回は24日に掲載します。

結城喜宣 「アメリカ女子高生デジタルネイティブ日記」バックナンバー

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結城 喜宣(Ys and Partnersエクゼクティブ・クリエイティブディレクター)/結城 凛子(17歳)
結城 喜宣(Ys and Partnersエクゼクティブ・クリエイティブディレクター)/結城 凛子(17歳)

日米に拠点を置くCreative Brand Communications – Ys and Partners のエクゼクティブ・クリエイティブディレクター。JWTを経て、2002年に日本ブランドを世界で有名にすることをミッションに、米国カリフォルニア州に本社設立。2005年には横浜市に日本支社を設立。日米グローバル企業のブランド・コミュニケーションを成功に導いている。ブランド戦略に基づいたクリエイティブなストーリーテリングが持ち味。宣伝会議コピーライター養成講座にて「自分の名刺塾」などを担当。
Facebook: facebook.com/ysandpartners
Twitter: @YSAP_NobuYuki
Web: ysandpartners.com

結城凛子(ゆうき・りんこ/カリフォルニア州の高校3年生 テニス部在籍)
父と母の冒険に伴い4歳の時に渡米。再度、両親の冒険につきあい、小学5年から中学2年までを横浜市で過ごす。中学の時は演劇部部長、高校からは全米トップのテニス部に在籍。東日本大震災の支援活動のリーダーなどを務める。米国本場のデジタルネイティブ高校生。
Facebook: facebook.com/thethousandcranesproject

結城 喜宣(Ys and Partnersエクゼクティブ・クリエイティブディレクター)/結城 凛子(17歳)

日米に拠点を置くCreative Brand Communications – Ys and Partners のエクゼクティブ・クリエイティブディレクター。JWTを経て、2002年に日本ブランドを世界で有名にすることをミッションに、米国カリフォルニア州に本社設立。2005年には横浜市に日本支社を設立。日米グローバル企業のブランド・コミュニケーションを成功に導いている。ブランド戦略に基づいたクリエイティブなストーリーテリングが持ち味。宣伝会議コピーライター養成講座にて「自分の名刺塾」などを担当。
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結城凛子(ゆうき・りんこ/カリフォルニア州の高校3年生 テニス部在籍)
父と母の冒険に伴い4歳の時に渡米。再度、両親の冒険につきあい、小学5年から中学2年までを横浜市で過ごす。中学の時は演劇部部長、高校からは全米トップのテニス部に在籍。東日本大震災の支援活動のリーダーなどを務める。米国本場のデジタルネイティブ高校生。
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