今回も、広告界の最前線で活躍するクリエイティブディレクター、コピーライター、CMプランナーが審査員を務めます。その数、なんと100人!
このコーナーでは、審査員の皆さんが日替わりで毎日登場します。プロのコピーライターの皆さんは一体、どんなシチュエーションでコピーを生み出しているのでしょうか?宣伝会議賞のグランプリ、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもお届けします。
本日は、こやま淳子さんへのインタビューを紹介します。
宣伝会議賞 協賛企業賞の受賞経験もある、こやまさん。手掛ける作品は、スズキ アルト「かしこく、ステキ。」、TOHOシネマズ「ママが映画館に通える国って、すてきでしょ?」、プラン・ジャパン「13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない。」など、女性らしい視点が印象的です。こやまさんがコピーライター兼クリエイティブディレクターとして手掛けたTOHOシネマズのポスターはこちらで見られます。
――すぐれたコピーが浮かぶのは、どんな瞬間でしょうか?
こやまさん その課題に関する十分な情報を頭に入れて、毎日情熱的に考えていると、変な場所で急にひらめくことはたまにありますね。でもそれは場所というより、考えていたおかげだと思います。
――コピーの対象について常に頭のどこかに置いておき、考え続ける。そうすると、日常生活を送る中でも思わぬところでアイデアが浮かんでくることがあるかもしれません。コピーを考えるときのマストアイテムと言えば何でしょうか?
こやまさん 資料、刺激、睡眠時間です。
――コピーを考え抜くことも重要ですが、適度な睡眠をとって、常に頭をフレッシュな状態にしておくことも、良いアイデアを発想するためには重要なことですよね。こやまさんは、宣伝会議賞の受賞経験もお持ちです。当時のエピソードを教えてください。
こやまさん 20代の頃は毎年応募していて、協賛企業賞をいただきました。仕事とは別のところで、コピーをたくさん書いて、全然評価されなかったりしてがっかりしてまたがんばる。そういう機会があったのは、いい訓練になったと思います。仕事では鍛えられない筋肉ってあるから。それはいまの私を支えてくれています。
――毎年応募されていたのですね!まさに、継続は力なりです…。当時のこやまさんと同じように、コピーライターを志し、努力を続けている応募者の皆さんに、メッセージをいただけますでしょうか。
こやまさん お金がなくても、どんなに小さい会社にいても、いいアートディレクターがいなくても、誰でも応募できる宣伝会議賞。これで一発大逆転できるほどラクな業界ではないけれど、こういう賞がなかったらもっと風通しの悪い職種だったと思う。若い人には、賞がすべてではないと前置きしつつ、宣伝会議賞がある幸せを感じてほしいですね。
――コピーライターになりたい、言葉を使って世の中を良くしたい……そう考えるすべての人に、ぜひ宣伝会議賞にチャレンジしてもらいたいですね。受賞はもちろんのこと、参加すること自体も、応募者の皆さんが自身の目標・夢を達成するうえでの何かのきっかけになればと思います。
次回は、電通の阿部光史さんへのインタビューを紹介します。お楽しみに!
こやま淳子(こやま淳子事務所/コピーライター)
博報堂を経て独立。最近の仕事は、TOHOシネマズ「ママが映画館に通える国って、すてきでしょ?」、プラン・ジャパン「13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない。」ほか、スズキ、森永乳業、花王、ユニチャーム、創英社・三省堂書店など。著書に『choo choo日和』。TCC会員。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- 横澤宏一郎さん「応募経験が、クリエイティブ職を目指す自信になる」
- 三井明子さん「たいくつな映画を観ているときにもコピーが生まれる」
- 富田安則さん「重要なのは、応募に自分なりの目的を持つこと」
- 原晋さん「コピーは、ひらめかない」
- 林尚司さん「アイデアが浮かんだらすぐに書きとめる」
- 尾形真理子さん「景色や人など、情報量の多さが刺激になる」
- 岩田純平さん「コピーライティングのマストアイテムはやる気、味方、しめきり」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。